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ドリトル先生と幸せになる犬

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第五幕その十

「世の中どんな宗教や哲学でも救えない人がいるから」
「あまりにも酷くてだね」
「そう、救われるにもある程度のものが必要なんだ」
 人間にはというのです。
「それだけの能力や人格がね」
「そうした能力や人格すらないと」
「もうね」
 それこそというのです。
「救われないよ」
「そうだよね」
「人間はね。けれどそんな人達は」
「多分だね」
「もう最初からね」 
「人格も能力も」
「救われる位もね」
 あらゆる宗教や哲学でもというのです。
「例え救われる場所に連れて行ってもらっても」
「それでもだね」
「そこでも考えをあらためないで」
 それでというのです。
「反省しないでね」
「結局はだね」
「救われないんだ」
「そうなんだね」
「そしてふわりの前の飼い主の人達も」
「おそらくだね」
「そう思ってるよ、ただ僅かでも可能性があるなら」
 それならというのです。
「僕はそこからね」
「やってみるんだね」
「そう思ってね」
「今のご家族にもお話したんだね」
「そうだよ、あとふわりの両親と彼等の飼い主の人達のところにも」
 そちらにもというのです。
「行くよ、あとペットショップもふわりは嫌いじゃなかったし」
「そうした場所だったから」
「だからね」
「その娘を連れて行くんだね」
「そう、そしてね」 
 それでというのです。
「ふわりを両親とその飼い主達にもね」
「再会してもらうんだ」
「ふわりはまだ赤ちゃんだったから覚えていないかも知れないけれど」 
 それでもというのです。
「こうした問題を広く考えてもらって」
「そしてだね」
「知ってもらいたいから」
 多くの人にというのです。
「だからだよ」
「そうしていくね」
「これからね」
「そうするんだね、僕もね」
 王子もというのでした。
「こうしたことにね」
「関わっているね」
「既にね、けれどここまで真剣に考えたことは」 
 そのことはといいますと。
「実はね」
「ないんだね」
「そうだよ」 
 こう先生に言うのでした。
「僕もね」
「そうなんだね、王子も」
「うん、命のことは大事だね」
「本当にね」
「そのことは誰もが知っておかないと」
 そうでないと、というのです。
「よくないよ」
「その通りだね」
「考えてね、そして命を何とも思わない自分だけしかない人は」
「絶対に嫌われるね」
「ふわりの前の飼い主達がそうだよ」
 この人達がまさにそのサンプルだというのです。 
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