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おぢばにおかえり

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第六十六話 好き嫌いその三

「嫌ですね」
「阿波野君が?」
「はい、僕としましては」
「私が他の人に水着姿見せたら」
「どうにも」
「泳ぐなら水着にならないと駄目じゃない」
 もうこのことは言うまでもないと阿波野君に言いました。
「そうでしょ」
「出来れば半ズボンタイプの水着とか」
「そういう水着もあるわね」
「ワンピースとかビキニは」
 こうした水着姿はというのです。
「どうにもです」
「私水着は殆ど持ってないわよ」
「そうですか」
「ええ、高校の競泳水着は持ってるけれど」
 それでもです。
「他の水着はね」
「持っていないですか」
「ええ、そうよ」
「そうなんですね」
「だからね」
 そう言われてもです。
「それに私殆ど泳がないから」
「そうなんですか」
「泳ぐのあまり得意じゃないの」
 泳げることは泳げるにしてもです。
「それに好きじゃないから」
「そうですか、それは何よりですね」
「何よりなの」
「人前にお肌出したりとかもですね」
「そんなの恥ずかしいわよ」
 阿波野君に顔を赤くさせて言い返しました。
「絶対にね」
「無理ですよね」
「ええ、そんなことは」
 とてもです。
「私無理よ」
「だから水着も恥ずかしいですね」
「女の子同士ならいいけれど」
 お風呂についてもです、寮では大浴場に入ります、それで恥ずかしいとか言っていたらはじまらないです。 
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