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頼りない犬が護って

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第二章

「それで捨てたのかもな」
「とんでもない親ですね」
「とりあえず警察に言うんだ、あとな」
「あと?」
「そんな母親は絶対に怒鳴り込んで文句言うからな」
 だからだというのだ。
「ご両親は旅行中だけれどな」
「ここはですか」
「警察だけじゃなくて弁護士さん紹介するから」
 だからだというのだ。
「母親が変なこと言ってもな」
「突っぱねられる様にですか」
「しておいた方がいいぞ」
「わかりました」
 平岡は老人の言葉に頷いた、そしてだった。
 彼はすぐに警察に子供のことを話して弁護士も紹介してもらった、すると程なくしてある日会社から帰ると家に老人が話した通りの外見の女が怒鳴り込んで来た。
「何で警察に言うのよ!」
「ちょっと待って下さいね」
 女が来るとだった。
 平岡はすぐに老人に連絡をした、するとだった。
 彼はすぐに弁護士を連れてやって来た、そうしてだった。
 女はヒステリックに筋の通らないことを喚いたがそれでもだった。 
 老人と弁護士特に弁護士が彼女を論破した、それで女の子神戸茉奈という彼女を連れて帰らせた。この時はよかったが。
 数日後何とだ。
 平岡が朝起きて犬達を朝の散歩に連れて行く時にだった。
「あの娘がかい!?」
「庭の犬達のケージの中にいるんですよ」
「あの大きな檻みたいなところにか」
「はい、うちは基本家の扉を閉めたらケージは開けていまして」
「あの壁じゃあ犬は飛び越えられないしな」
「けれど人が脚立使ったら乗り越えられますね」
「それであの女がか」
 連絡を受けて朝だが駆けつけてきた老人は女の子を見ながら平岡に話した。見れば。
 犬達はじっと女の子の傍にいる、そして二人を女の子を助けて欲しいという目でじっと見ていた。平岡も老人も彼等を見ている。
「女の子をか」
「ここに置いていったみたいです」
「とんでもないことするな」
「どうします?」
「前もそうだったがこれは育児放棄だな」
「虐待ですよね」
「もう警察に訴えるべきだ」
 こう平岡に言った。
「いいな」
「はい、それじゃあ」
 平岡も頷いてだった。
 程なくして遂に刑事の話となり女は訴えられて詳細がわかった。
「酷い女でしたね」
「全くだな、何も考えないで結婚してな」
「あの娘が出来てな」
「離婚して後は」
「変な奴と結婚しようとしてな」
「邪魔になってですね」
「捨てようっていうんだからな」
 老人は平岡に怒って話した。
「本当にな」
「酷い親ですね」
「家じゃいつも怒鳴って仕事に行く時や遊ぶ時は家でほったらかしか」
「よくある話ですけれど」
「最低だ、それでな」
「あの母親は逮捕されて親権放棄させられて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「あの娘はこの町にあの女の両親がいてな」
「その人達がですか」
「引き取って育てるらしい、わしもあの人達は知ってるが」
 女の両親はというと。 
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