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イベリス

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第十六話 ゴールデンウィーク前にその五

「だからね」
「下着がどんなのでもなのね」
「いいわ」 
 これといってというのだ。
「正直言ってね」
「じゃあ私もなのね」
「好きな下着をね、けれどやっぱりね」
「下着に一番なのね」
「その人の個性が出ると思うわ」
 愛は自分の考えを述べた。
「やっぱりね」
「そうなのね」
「これも私の考えだけれどね」
「下着になのね」
「それで私が見たところ咲ちゃんはね」
 本人に対して話した。
「派手なファッションをしてもね」
「下着は地味だから」
「やっぱり根は真面目ね、というか堅物ね」
「そこまでなの」
「そう思うわ」
 こう言うのだった。
「私としてはね」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「これからはわからないわ」
 咲を見て言った。
「咲ちゃんも変わるし」
「下着もなのね」
「そう、それでね」
「これから私がどうなるかなのね」
「そうよ、よく変わることもあれば」
「悪く変わることもあるのね」
「そうよ、全部ね」
 まさにというのだ。
「咲ちゃん次第なのよ」
「どうなるかは」
「私はやっぱりよくなって欲しいわ」
 従姉としての言葉だった、今のそれは。
「これからどんどんね」
「そうなのね、お姉ちゃんは」
「だから色々お話してるし」
「よくなる為に」
「悪い人や物事には注意する様にね」 
 まさにその様にというのだ。
「お話してるしね」
「いい方に変わる為ね」
「そうよ、今以上にね」
「今以上?」
「そう、今以上よ」 
 従妹に笑って話した。
「そうなって欲しいのよ」
「ってことは今の私もいいの」
「ええ、けれど最高とか最良とか完璧ってないのよ」
「完璧もないの」
「そうなの、よくなることに際限はないのよ」
「じゃあ人は何処までもよくなるのね」
「仏教でも言ってるわよ」
 愛はここで宗教の話も入れた。
「悟りを開いてもまだ先があるのよ」
「悟り開いて終わりじゃないの」
「そう思うでしょ」
 愛は咲に思わせ振りに笑って話した。
「悟りを開いたらもうね」
「それが仏教の目的よね」
「そうよ、六道の輪廻とかそうしたしがらみを越える」
「それが仏教よね」
「ええ、けれどね」 
 それでもとだ、咲にさらに話した。
「まだあるのよ」
「悟りを開いても」
「そう、まだね」
「あるのね」
「仏教の菩薩さんや如来さんはまだ修行してるでしょ」
 こうした仏達の話もした。 
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