| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十五話 慣れてきてその五

「努力して」
「成られますか」
「それを目指しています、ただある人は。この人は魔術師ですが」
「魔術師ですか」
「そうです」
 この職業にあるというのだ。
「その方は」
「あの、魔術師って」
「実在しませんか」
「小説とか漫画のお話ですよね」 
 創作の世界それもファンタジーのそれだというのだ、咲にとっては事実魔術師は実際にはないものである。
「そうした人達は」
「いえ、これがです」
「実在しますか」
「はい」
 速水は確かな声で答えた。
「そうなのです」
「そうですか」
「この東京、渋谷にもおられます」
「ここにもですか」
「左様です」
 咲に微笑んで答えた。
「その方は」
「あの、道玄坂に」
 咲は渋谷と聞いてまさかと思いつつ速水に問うた。
「魔法の品を売っているお店がありますね」
「アクセサリーやお守りをですね」
「あのお店の方ですか」
「あのお店の店長さんです」
「凄い美人さんっていう」
「まさにその方です」
 速水はその白い頬にほんの僅かであるが朱を入れて述べた。
「あの方は魔術師なのです」
「そうですか」
「その界隈では有名な方です」
「オカルトの」
「そう言われている世界では」
 咲にその白い中に微かに朱が入った顔で答えた。
「かなりです」
「そうした人ですか」
「オカルトの世界では魔術師も存在しています」
「それで魔術もですか」
「そこはご想像にお任せします」
 こう返してはっきりとは話さなかった。
「その様に」
「あそこのお店は」
「インチキではありません」
 はっきりとは話さないが答えは述べた。
「間違っても」
「そうなのですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「効果はあります」
「そうですか」
「はい、そして」
 それでというのだ。
「あそこで買われるなら」
「いいんですね」
「確かな加護があるので」
 本物の魔術によるそれがあるというのだ。
「大丈夫です、ですが多くのそうしたグッズは実はインチキではないのです」
「ちゃんと御利益があるんですね」
「お寺のお経も神社のお守りもです」
 そうしたものもというのだ。
「僅かではあっても」
「御利益があるんですね」
「そうです、文字自体に力がありますので」
 それ故にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧