優しさに包まれる子猫達

　　　　　　　　　　　　　　　優しさに包まれる子猫達
　ニューヨーク州を中心に動物保護活動をしているジュリアン＝ハンプルは整った顔立ちに緑の目そして蜂蜜色の豊かな髪の毛を持つ青年だ、その彼が今は地下鉄に乗っていた。
　ニューヨークの地下鉄も治安がよくなった、それで利用している人達も穏やかだ。その乗客達の中に。
　黒髪を短くしているスーツ姿のアフリカ系の男性がいた、見れば。
　タオルからキジの子猫を出してミルクをあげだした、ハンブルはそれを見て男性のところに来て尋ねた。
「その猫は」
「仕事を終えて帰る途中で菅乗る前に道で見付けたんです」
　男性はすぐに答えた、紳士的な態度である。
「周りを探したら母猫も兄弟もいなくて」
「それで、ですか」
「保護しました」
「ニャ～～～」
　その子猫もここで鳴いた、男性は猫にミルクをあげつつ話した。
「それで途中のペットショップに寄って」
「ミルクを買いましたか」
「他の猫に必要なものも」
　全てというのだ。
「買いました」
「そうですか」
「調べたら雄でした、家に帰ったら家族もいますから」
「ご家族とですね」
「これから飼います、名前は雄なのでシャーマンにしようかと」
「シャーマンですか」
「そう考えてます、これからはずっとこの子と一緒です」
　ハンブルに笑顔で言うのだった、彼が偶然見た微笑ましい光景で聞いた話だった。
　そしてカンザス州に行った時に。
　トウモロコシ畑を中心に農業を営みつつ動物の保護活動をしているサイモン＝グリーンパンチパーマでジャガイモを思わせる顔の優し顔立ちのアフリカ系の青年と仕事をしてからグレーと白の猫、顔の右が白左がクレーのかなり印象的な雄の彼を紹介された。
「トウモロコシ畑で見付けて」
「保護したんですね」
「そうです、親兄弟はいなかったですが」
　それでもというのだ。