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エルフと結婚

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第四章

「私なぞです」
「及びもつかないというのか」
「左様です、妻に迎えよかったです」 
 侯爵は王に微笑みこうも言った、赤毛でまだ即位して間もないが堂々たる大柄で筋骨隆々の方らを持つ若い王に。
「まことに」
「それは何よりだ。ではこれからもだ」
「妻の言葉を聞いてですか」
「素晴らしい内政を行ってくれ」
「わかりました」
 侯爵は王に応えた、やがて彼は国の内相として国の繁栄にさらに貢献した、カターニャの話を聞くとそうなった。
 それでだ、ある日彼は自身の屋敷で妻に言った。
「若しだ」
「若しといいますと」
「そなたがいないとだ」
 こう言うのだった。
「我が国はここまでよくなっていない」
「そう言われますか」
「事実だからな」 
 目に見えてそうなっているからだというのだ。
「そう言う」
「そうですか」
「そなたと比べれば私なぞだ」
 音は妻にこうしたことも言った。
「取るに足らないものだ」
「いえ、それは違います」
 カターニャは自分を駄目だと言った夫に確かな声で答えた。
「実は私の考えは国ではです」
「受け入れられなかったか」
「女の癖にと言われることもありました」
「そういえばエルフの国は人間の国より女の地位が低いな」
「はい、まさに女は奴隷です」
 そこまで地位が低いというのだ。
「それで私もです」
「政治のことを言ってもか」
「大臣の父上も聞いてくれませんでした、唯一聞いて頂ける兄上も国の財務のお仕事に就いておられそちらにご多忙で」
 その為にというのだ。
「私のこうした考えも」
「そうだったのか」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「私としてはです」
「私がそなたの意見を聞いてくれてか」
「嬉しく思っています、私の考えをいつもよいと言ってくれますね」
「悪いものなぞ採り入れない」
 侯爵は妻に率直な声で答えた。
「一切な」
「左様ですね」
「私は代々内政の家に生まれまたそちらの教えを多く受け職務もな」
「そちらでしたね」
「その中生きてきたのだ」
 農業や商業、建設のことでというのだ。
「それならだ」
「内政のことはですか」
「多くわかるつもりだ」 
 そうだというのだ。
「だからな」
「それ故にですか」
「そなたの考えのよし悪しもだ」
 これもというのだ。
「よくわかる」
「左様ですか」
「それもな」
「そうです、旦那様は私の言うことを理解して頂けます」 
 ここでカターニャは夫にこうも言った。 
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