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熊を助ける

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第一章

                熊を助ける
 アメリカフロリダ州の住宅街に黒い大きな熊が出た、住人はパニックになりかけたが。
 写真家であり生きものに詳しいアダム=ワーウィック動物学者であり短く黒井髪の毛と黒い目を持つプロレスラーの様な体格の彼は住人達に話した。
「大丈夫です」
「熊でもですか」
「怖くないですか」
「そうなんですか」
「はい、落ち着けば」
 それならというのだ。
「怖いことはありません」
「そうですか」
「動物学者の人が言われるなら」
「それなら」
「はい、麻酔銃を撃って」
 ワーウィックは今度は対処方法を話した。
「そして眠らせて」
「ああ、そうすればいいですね」
「考えてみれば」
「熊でも」
「それでも」
「はい、撃って」
 その麻酔銃をというのだ。
「眠らせてその間に森に返しましょう」
「わかりました」
「じゃあそうしましょう」
「すぐに麻酔銃を用意します」
「ハンターの人も呼んできます」
 話はとんとんと進んでだった。
 熊に麻酔銃が撃たれた、だが。
 麻酔は中々効かず熊は撃たれてパニックになって逃げた、そして。
 海まで逃げて中に入った、ワーウィックは熊が眠る機会をずっと待っていたが。
 その海の中でだった、タイミングが悪いことに。
 麻酔が効きだした、それで熊は溺れはじめた。それを見てだった。
「いけない!」
「えっ、アーウィックさん」 
 アーウィックは咄嗟にだった。
 海に飛び込んで溺れている熊を助けた、熊は麻酔が効いてきたので暴れなかった。だがかなり重く救助は難航し。 
 何とか熊を連れて岸に来た時には彼は疲れきっていた、しかし。
「何とかです」
「熊を助けられましたね」
「それじゃあですね」
「これから」
「森に返しましょう」
 こう周りに応えてだった。
 彼は熊をオセオラの国有林に返した、熊は林に入ると目を覚ましたが。
 アーウィックは雄だった彼に笑顔で言った。
「助かってよかったな」
「ガウ・・・・・・」
「これからは森で平和にな」
 こう言って送り出した、自分が助けたことは何も言わず。
 人々はそんな彼を立派だと言ったが彼は熊が助かったこと自体を喜んでいた、その彼がオレゴン州に行った時に。
 その州の野生動物保護センターで一匹の茶色の子熊を見た、そこで金髪で青い目で見事な黒い顎鬚と口髭を生やした長身の男コーレイ=ハンコック写真家をしている彼に言われた。
「こいつは死にそうだったんですよ」
「そうでしたか」
「はい、森の中にいまして」
 そしてというのだ。
「最初見た時目を開いて動かなくて」
「死んだとですか」
「思っていたんですが」
 それがというのだ。
「前足が少し動いているのを見て」
「まだ生きているとですか」
「わかって」
 そしてというのだ。
「すぐに車に乗せてフェイスブックに投稿して」
「フェイスブックですか」
「そこで情報を集めて」 
 リアルタイムでそうしてというのだ。
「それでここまで連れて来ました」
「そうでしたか」
「熊の治療とかの知識がなくて」
 それでというのだ。 
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