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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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本領発揮

私達はポルトガで王様に謁見している。
私の知る限り、王様という存在の前では、恭しくしなければいけなはずなのに、この男の態度はどうだろう!?
「ねぇ、早く船くれよぉ~!」
この様な台詞を言うばかり!
アルル様が一生懸命カンダタ改心の噂を広めてもらえる様にお願いしてるのに、全く感心無さそうに侍女に手などを振っている。
娘の私の前でくらいは手本になる様な行動をするべきなのに…
子育て舐めてんのか!


「♪う~み~は広い~なぁ、でっけ~なぁ~♪」
この男………全く働こうとしない!
私の事を抱きながら、ただ歌っている!
アルル様達は船の扱いに不慣れな為、お母様とお兄様を中心に出港への準備を行っているのだが…
「旦那も手伝ったらどうですかい?元の世界じゃ、船を扱った事あるんでしょ!」
流石に我慢できなくなったのか、カンダタがお父様へと文句を言ってきた。
「無駄よカンダタ!リュカは船では何もしないと決めてるの!『船では優雅に過ごすのが僕流』って事らしいわよ!」
何じゃそりゃ!?舐めてんのか!?
つーかお母様も、それを認めてないで働く様言えば良いのに…
お母様が言えば一発だろうに…

「何なんだよそれ!………しかし人手が足りなすぎるぜ!」
「仕方ないでしょ!さすがにポルトガから、水夫を派遣して貰うわけにもいかないし…私達の旅は危険な物だから…」
アルル様は優しいなぁ…
本当はカンダタの噂を流してもらう為に、人員はお強請り出来なかったのよね…
「ほな、自腹で水夫を雇うしかないやん!」
「雇うったって…そんな金銭的余裕はありません!」
「せやったら、アルルが体で払ったらええやん!」
アンタのそのデカパイで払った方が良いんじゃないの?
「アンタ馬鹿じゃないの!アンタこそ体で払いなさいよ!その無駄にでかいオッパイで!」
あら、同じ事思ったのね…
にしても…忙しすぎて皆イライラしてる。
一人ノホホンと歌っている馬鹿が居る所為よね!

「お父様ぁ~…何時になったらお船は出発するのですかぁ~?」
お前も働けっつーの!
「うん。今アルル達が一生懸命出発の準備をしているから、もう少し待ってようね」
厄介な馬鹿ねコイツ!
何で私の嫌味が通じないのかしら!?


食料や水などの必要物資を買い出しに行っていたお兄様やハツキちゃん、そして私のプリティー・ウルフ様が戻って来ると、人員不足の問題を解決する為に話し合う事とに…
「やはりこれ程しっかりした船を、この人数で扱うのは無理だと思います」
「それは分かるけどティミー…私達に人を雇うお金はありません!」
「ティミーさんもアルルも落ち着いてよ!確かに俺達だけじゃ大変だけど、動かせない事はないと思うぜ!」

「違うのよウルフ君。ティミーが無理と言ってるのは、海上で戦闘になったときのことなのよ…船を操作しながら戦うのは、かなりの労力が必要なの!」
等々…
私の目の前で皆さんが真剣に話し合っている。
何故、私の目の前でかと言うと…私がお父様に抱っこされているからだ!
つまり、私の目の前に集まったのではなく、お父様の目の前に集まっただけなのですよ!
なのですが、当のお父様は話し合いに参加しょうようともせず、ボケ~っとアルル様達を眺めるだけ!
働かないのだから打開案ぐらい出せば良いのに…

「皆さん難しいお話をされてますねぇ…」
「そうだねぇ…僕等は邪魔をしない様にしとこうね!」
じゃねっての!
お前も参加しろよ!!
「父さんも少しは話し合いに参加して下さい!!」
ついにお兄様が怒りましたわ!おせぇっての!
「え゛!何で?何を僕に期待してんの?」
期待なんかしてねぇよ…何もしてないのがムカつくだけだよ!
「まぁまぁ…ティミー落ち着いて!旦那に何を言っても無駄なのは、ティミーが一番分かってる事だろ!?」

「……………カンダタには何か解決策があるんですか?」
「…正直あまりおすすめじゃねーが、一つだけ解決策がある…」
あらあら…お兄様の怒りにビビって、適当なデマカセをぶっこくつもりかしら?
「本当に!?それはどんな事なの?」
アルル様が食い付いた!
こんな筋肉ダルマの言う事なんか当てになるわけないと思うなぁ…
「あ、あぁ…此処ポルトガから南西に行くと『サマンオサ』と言う国があるんだが、その国の南の端に俺の知り合いの海賊のアジトがあるんだ…其処へ行って海賊共を味方に引き入れる………ってのはどうだろうか?」
「盗賊の次は、海賊かよ!どんだけ勇者様一行の名を、貶めれば気が済むんだ!?そんなクズはお前だけで十分だ!」
「何にもしねぇ旦那が文句言うなよ!船の扱いにかけちゃスペシャリストなんだぞ!ヤツらに船を任せれば、海上でモンスターに襲われても、俺達は戦闘に集中出来るだろ!」
まったくだ!
文句だけは言いやがって!
「確かに…方法としては良い提案ですが………海賊が私達に協力してくれますかね?」
「それは分からねぇ…直接交渉してみねーと………ただ、ヤツらは俺と違って義賊なんだ!弱者から金を巻き上げたりはしねぇ…何時も狙うのは悪党だけだ!」

「………他に…方法はないですし…取り敢えず海賊のアジトを目指しましょう!」
ふむふむ…いきなり海賊のアジトか…
確か彼処には『レッドオーブ』があったわよねぇ…
チャンスを作って、皆を誘導しないと…
二度手間はゴメンよ!
「ねぇリュカ…お願いがあるのぉ…」
お母様が急に私に近付くと、無理矢理私を押しのけてお父様に甘えだした。
ちょっと何!?
いきなり発情しちゃったワケ?
「海賊のアジトまでだけで良いから……………歌わないで♥」
はぁ?甘え方がよく分からん!
こう言っては何だが、私はお父様の歌が大好きだ!
正直上手いんですよ…聞き惚れます!
しかし何故歌がいけないのだろう?
と考えていたら、お父様はお母様を抱き上げ船室へ下りていってしまいました…
そして響くお母様の喘ぎ声…
いったい何なんだ!?



あれから半日…
童貞ボーイズには刺激が強すぎるBGMの中、どうにか準備を終えて出港する事が出来ました!
私はお母様の甘い移り香がするお父様に抱っこされ、甲板上を見渡してます。

「やっとポルトガから出港出来たね」
「ティミーのお陰です!私達だけだったら、何をして良いのかも分からなかったですから」
若い苦労人の男女二人が、出港出来た事で喜び、何だかとっても良い感じ!?
「ほぉら、見てごらんマリー!お兄ちゃんとアルルお姉ちゃんは、とってもお似合いな男女だよねぇ…やっとお兄ちゃんにも彼女が出来るのかな?」
うむ…私のウルフちゃんに近付く可能性のあるメスを遠ざける為、あの二人をくっつけちゃうのも良い考えね…
「私アルル様の事、大好きですぅ!是非お兄様の彼女になってほしいですわ♡」
「ちょっとリュカ、マリー!あの二人は貴方達と違って、ウブで真面目なんだから、そう言う事言って変に意識させちゃダメよ!見守って行くのが大事なんだからね!」
何を悠長な事を!
お兄様の新鮮なチェリーを食べ損なった今、ウルフちゃんの美味しいチェリーは何としても物にしなければならないのです!
もう2.3年もすれば鮮度が落ちちゃいますからね!


さてさて…
私の密かな野望を知ってか知らぬか(知らないだろう!)モンスターが襲来しました!
私の初めての戦闘です!
海での戦闘に不慣れなアルル様達に代わり、お母様とお兄様がメインで戦っております。
ポピーお姉様に教わったイオナズンで、大活躍をしちゃいましょう!
「大変ですぅ!アルル様達がピンチですわ!お父様、私達もお手伝い致しましょう!」
「いやいや…私達もって…マリーは戦う事なんか出来ないだろ?」
ふっふ~ん…出来るんだな、それが!
「そんな事ありませんですわ!私、ポピーお姉様に魔法を教わりましたから!」
その目に焼き付けておきなさい!
美少女天才魔法使いマリーちゃんの華麗なる活躍を!!
「イオナズン!」
「「「「え!?」」」」

どうよ!どうよどうよどうよ!!
瞬時に全滅!
ぜ~んぶ、私の活躍よ~!!
「げぇ!!」
?…何故か失礼な悲鳴を上げるお父様…
急に私を抱き上げると、手近な柱へしがみつき叫ぶ。
「みんなー!何かに捕まれ!津波に飲み込まれるぞー!!!」
私の視界はお父様の胸に遮られ真っ暗…
しかし私の身体には大量の海水が打ち寄せられ、お父様に抱かれていながらも揉みくちゃにされてるのが分かる!
一体何がどうしたの?

口の中が塩辛い…
何が起きたのか判らないのですが、お父様のお陰で私は無事なのです。
「お~い…みんな無事かー…?」
お父様が私を抱き抱えたまま、周囲を見渡し皆の無事を確認する。
どうやら船自体に損傷は無く、皆さんの無事だけが気掛かりな様です…

「私とティミーは無事よ!」
お母様がお兄様と共に姿を現す。
ただ純情なお兄様は、水に濡れてボディーラインが浮き出たお母様を見る事が出来ず、顔を背けてます。
母親なのだから気にする事無いのに…キモいわぁ…

「俺も何とか生きてるぞー!」
「私もです!」
舵を握っていたカンダタと、あまり見事ではないボディーラインのアルル様も現れ無事を告げました。

「俺は大丈夫だけど、ハツキが気を失ったままだ!」
どうやら私の水も滴るプリティーウルフちゃんも無事で、気絶したハツキさんを背負い現れました。
巨乳が背中に当たって嬉しそう…ムカつく…

「………あれ?エコナは?」
あら本当…もう一人の巨乳が見あたらないわ…
濡れた姿は、さぞかし色っぽいだろうに…どうしたのかしら?
「…マジで!?…エコナ、流されちゃった!?ヤベーじゃん!!」
え゛!?
あの巨乳ねーちゃん流されちゃったの!?
どうすんの?イエローオーブを手に入れるには、あのねーちゃんが必要なのに…
あのねーちゃんが町作って、クーデター起こされ、ボロボロに犯され、私がイエローオーブを手に入れる………そう言う流れでしょ?
ここでリタイアって…どうすんの?



 
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