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星河の覇皇

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第七十八部第一章 二度目の会戦を観てその九

「エウロパ戦役までな」
「まさにそれまでは、でしたね」
「それではだ」
「連合軍が弱いこともまた」
「仕方がない」
「実戦経験がないだけに」
「このことは非常に大きい」
 軍隊にとっても国家にとってもだ、実戦経験の有無はというのだ。
「我々は本当にな」
「そうした経験はですね」
「ないのだからな」
「弱いのも道理ですね」
「その海賊やテロリストへの軍事行動もだ」
「大事件でしたし」
 連合にとってはそうだった、それも常に。
「連合規模の作戦の様でした」
「一国が行うにしてもな」
「そうして行われていましたし」
「そうしたものだったがな」
「サハラでは日常茶飯事で」
 海賊やテロリストの征伐はだ。
「最早戦争にもでしたね」
「数えていなかった」
「それ程のものでしたが」
「連合ではそうだった」
「今でも尚」
「そう考えるとな」
「どうしてもですね」
「戦闘への考えも数も違う」
 それ故にというのだ。
「我々はサハラにはな」
「到底勝てませんね」
「どれだけ立派な装備を持っていてもだ」
「弱兵では」
「精鋭には勝てない、同じ数ではな」
 それではというのだ。
「到底な」
「だからですね」
「その将兵の質をだ」
「その他のもので補いますね」
「数やシステムでな」
「特に数ですね」
「そうなる、だからサハラと戦う場合は」
 どうしてもというのだ。
「エウロパ戦役の時と同じく、いや」
「あの時以上に」
「数が必要だ、そしてその数でだ」
「押し潰す様にですね」
「戦うべきだろう」
「やはりそうですね」
「先程の会戦を見て強く思った」
 ステーキ、鯨のそれを食べつつ言うマトリョーフだった。
「まことにな」
「そうですね、それだけの強さがありますね」
「そう思うとな」
「我が連合軍では」
「そこまでしないとな」
「勝てないですね」
「人は文明に入れば入る程弱くなるという」
 マトリョーフはこうも言った。
「野生を忘れてな」
「そうしていってですね」
「戦うについてもだ」
「弱くなっていく」
「だから豊かな国は弱い」
「そして貧しい国は強い」
「そうも言われているしな」
 だからだというのだ。
「連合は今現在人類の文明の最先端にいる」
「それは建国以来のことで」
「今ではな」
 その建国、技術面でも秀でていた大国が多くありその時から人類の文明の最先端にあった国だがというのだ。 
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