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星河の覇皇

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第七十八部第一章 二度目の会戦を観てその五

「行われる」
「それが今のサハラの戦争ですね」
「オムダーマンとティムールのな」
「その通りですね」
「最後になるからには」
「最後の最後まで」
「戦ってだ」
 そうしてというのだ。
「勝敗を決める」
「そうなりますね」
「だからだ」
「激しい戦争が続きますね」
「どちらかが生き残るまでな」 
 まさにそこまでというのだ。
「そうした戦争になる」
「そうですね、では我々としては」
 シコースキーは連合軍の軍人としてマトリョーフに話した。
「元帥会議でもですね」
「決まっている、方針はな」
 俗にそう呼ばれている連合軍の最高幹部の会議だ、国防長官である八条も主な背広組の者と共に参加する。
「長官も言われた」
「それでは」
「観戦武官を常に送り」
「会戦の場に」
「その戦いを常に見ていく」
 そうするというのだ。
「そしてだ」
「戦闘を見て研究し」
「そしてだ」
「学んでいきますね」
「両国の戦争をな」
「そうしていきますね」
「我々が出来ることは全てする」
 マトリョーフは白ワインを飲んでから述べた。
「それに従うとな」
「そうなりますね」
「そうだ、他国である我々がすることはな」
「その戦争を見ることですね」
「そして学ぶことだ」
「そのうえで我々に活かす」
 シコースキーもここで白ワインを飲んだ、ワインは鮭のムニエルによく合った実に美味いものであった。
「戦争というものにな」
「そうしていきますね」
「会戦の一つ一つを身てな」
「戦争自体もですね」
「学んでいく」
 今回のオムダーマンとティムールのそれをというのだ。
「戦史にも残す」
「それが戦争を行っている国以外の国の人間が行うのですね」
「軍人はな」
「それでは」
「しかしサハラは軍人の教育は凄まじく質もいいが」
 ここでこう言ったマトリョーフだった。
「システムの整備は未熟だが」
「はい、極めて」
 そうだとだ、シコースキーも応えた。
「未熟ですね」
「連合軍と比べてな」
「我々と」
「そして兵器はな」
「軍事技術は優れていてです」
「エウロパよりはいいがな」
「我々が民間技術を軍事技術に転移させますと」
「我々の方が上になったな」
「それもかなり」
「技術の違いも出ているな」
 マトリョーフはあらためて言った。
「それを思った」
「今回の戦争からも」
「連合軍とは技術やシステムではな」
「かなり遅れていますね」
「そうなっている、ただ教育や戦術は」
「かなりのものですね」
「我々から見てもな」
 人類社会の最先進国である連合から見てもというのだ。 
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