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麗しのヴァンパイア

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第三百五十二話

第三百五十二話  先生のお家で
 先生は七人が家に来るとすぐにだった。
 化粧を変えて服装も変えた、その化粧は。
「えっ、先生ですよね」
「別人みたいです」
「お化粧目立っていて」
「髪の毛下ろしていて」
「それで服も違いますね」
「生地が薄くて」
 黒のキャミソール姿だ、生地は薄いが丈もかなり短い。
 そして胸の谷間も肩も太腿も露わだ、見れば肩や足の付け根から白い下着がちらちらと見えている。
 しかも仕草が全く違う、普段は華奈子達と同じ様に活発だが。
「何かしなやかで」
「ゆったりしてますね」
「仕草も」
「そうなっていますね」
「実は主人と二人だけだとこうなの」
 先生は華奈子達に笑顔で話した。
「お部屋の中だとね、夜はね」
「そうなんですか」
「何でご主人とご一緒ならなですか?」
「そのお姿なんですか?」
「仕草も違うんですか?」
「それは六年生になったらわかるわ」
 先生はにこりと笑ってそこから先は言わなかった。
「その時にね」
「六年生ですか」
「その時になったらですか」
「その時にわかりますか」
「そうですか」
「そう、けれどお色気は」
 これはとだ、先生は七人にさらに話した。
「こうしたものよ」
「そうですか」
「お化粧と服装とですか」
「仕草ですか」
「あと髪型もね」
 これもというのだ。
「こうしてね」
「下ろすとですか」
「いいですか」
「そうですか」
「そう、先生は昔こうしたこととは無縁と言われてたけれど」
 色気というものとは、というのだ。
「工夫よ」
「そうですか」
「それじゃあですね」
「私達もお化粧や服装や仕草で、ですか」
「変わるんですか」
「ええ、そうしたらいいわ」
 こう言ってだ、そしてだった。
 先生は元のラフな服装になった、化粧も髪型も元に戻した。するともうそこには先程の色気は何処にもなかった。


第三百五十二話   完


                  2021・3・18
 
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