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不思議と謎

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第四章

「そうだろ」
「前に話したことだな」
「ああ、どうしてもな」
「そうだろ、だからな」 
「お前も今言うんだな」
「目を見てもわかるけれどな」
「そういえばあの人妖しい目をしてたな」
 峰雄はふと彼女のそのことを思い出した。
「あだっぽいけれど如何にも何かある」
「そうしたっていうんだな」
「そんな目だったな」
「そうした人の誘いにはな」
「乗らない方がいいか」
「俺はそう思うぜ」
「やっぱりそうか」
 峰雄は柿の種とピーナッツを食べつつ言った。
「そうした人にはか」
「ああ、これからも気をつけろよ」
「何かあってからじゃ遅いか」
「そうさ、気をつけろよ」
「そうするな」
 峰雄は飲みつつ言った、そうしてだった。
 そのパートの美女には何度か誘われたが全て理由を付けて断った、そうしているうちに彼女は誘わなくなったが。
 本屋の別の男性、アルバイトも正社員も関係なく誘いだした。このことについて。
 昭介は深刻な顔で言った。
「おい、その人な」
「絶対に何かあるよな」
「男漁りしてるかな」
「別の思惑があるな」
「そう思うからな」
 だからだというのだ。
「離れろ」
「その方がいいか」
「ああ、何があってもな」
「誘いに乗らないことか」
「それがいいな」
 昭介は峰雄に話した。
「本当に」
「そうだな、何考えてるかわからないならな」
「ああ、人間誰でもそうでもな」
「特にそこにおかしなものがあると思ったらか」
「絶対にな」 
 まさに何があってもというのだ。
「近寄らない様にしてな」
「誘いにも乗らないことか」
「それがいいからな」
「わかった、じゃあな」
「ああ、絶対に乗るなよ」
「そうするな」 
 昭介には言わなかったが誘いに乗って肉欲を楽しみたいと思った、だが昭介の言う通りその欲望以上に警戒心を持ち。
 女の誘いには乗らなかった、そして一月後。
 女が急にいなくなった、それはどうしてかと先輩に聞くと先輩は眉を曇らせてそのうえで峰雄に話した。
「あの人ポッポーソシエティの信者だったんだよ」
「あのカルト教団のですか」
「ああ、あそこ今覚醒剤を中で使ってたって問題になってるだろ」
「信者の人が中毒で捕まって」
「それでその信者が教団の中で修業で使ってたって言ってな」
「今教団全体が捜査受けていますね」
 その覚醒剤の件でだ。 
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