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【自作イラスト追加しました】ちゃちゃっと絵を描く能力で世界最強!~追放されたい俺を女神さまが放してくれない~

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危険な未知の魔物と遭遇した話を聞いた

 話を聞くと、俺たちの世界出身で、リセたちの出てくる乙女ゲームを知っていて女の子で、リセたちの国を統括する女神さまが呼んだらしい。
 これ以上ない最適な異世界転移者ではないか?
 だから俺は、

「最適な人材だ。マナ、彼女達と行動を共にしてくれないか?」
「へ? え?」
「さっきも言った通り物語のバッドエンド回避と、魔王関連との戦闘になるから。それに女の子同士の方が良いだろうし」
「で、でも私、戦闘系の固有魔法(チート)を持っていなくて、それで追いだされた感じなんです」
「そうなのか? どんな能力なんだ?」
「【振出しに戻る】といって、例えばここにチーズがあるとするじゃないですか。それを私が齧って食べても、固有魔法(チート)を使えば齧る前のチーズが現れるという……」
「元の状態を【保存】する能力、か? でも時間設定はどの辺までなんだ?」
「さあ、まだ食べ物とか植物といったものしか使っていませんから。せいぜい数分前くらいです」
「なるほど。でも戦闘の魔法は使えるんだろう?」

 俺はさらにマナに食い下がった。
 普通の戦闘に使える魔法を普通に使えるのならそれだけでも価値がある。
 俺はもう筋トレは嫌だ。

 そう思って聞くと彼女は頷き、

「選択画面を呼び出しての攻撃は出来ますが……この町に来るまでに会った戦闘系の能力を持つ異世界転移者と比べると私でも足手まといになりますし。結局、その戦闘系異世界転移者の日とは親切で、ついてきたら怪我をするかもしれないから今後の後方支援か何かもかねてこの町に待機して、出来る範囲で準備してくれって言ってくれてこちらにてコジローさんを消化してくれたんです」
「コジローの知り合いなのか。でも、女神さまからの今後どうするかの紹介は無かったのか?」
「……声が聞こえて、私の最後の力を振り絞って……というのが聞こえた気がします。でも私の幻聴かもしれませんし」

 最後の方の声は小さくなる。
 でも俺の場合は確か女神さまが声をかけて直接会って、という形だった気がする。
 そう思いながら聞いていると更に、

「それについた場所には私しかいなくて、しばらく歩いていったら、神殿の人? という、雰囲気が皆同じの人が歩いているのが見えて……でもそっちに行くと危ないからって言ってくれた人が一人いて、今は時間が無いので何も聞かずこのお金とローブを着て、トトの町に行ってください。もしくはどこかで貴方と同じ異世界転移者と会ってこの状況を話してください、って言われたの」
「明らかに異常事態だな。クレア、リセ、女神さまがいなくなったのはいつ頃なんだ?」

 そう聞くと彼女たちは顔を見合わせてから、

「ここ一か月くらい」
「それでマナはいつ頃?」

 あまり当たって欲しくない予想を抱えながら俺はマナに聞くと、

「一か月くらい前です」
「同じね、女神さまが遊びにこなくなったころと」

 クレアがそう呻くように呟く。
 まるで何かがあったがために、マナを呼んだようにも聞こえる。
 これは、俺の所の女神さまに報告しておいた方が良さそうな内容だ。

 だが今は旅行中で俺自身はまだ逃げだしたい気持ちでいっぱいである。
 異世界をもう少しゆったりと満喫したい……というぜいたくな悩みは置いておくとしても、どうしようかとちょっと考えてから、いざという時はコジローもいるし、言伝のようなものをして何とかすればいいような気がしないでもない。
 異世界とはいえ人命が最優先なのだから。

 それでも俺はあがくだけあがく。
 まずは手始めに、

「でもそれなら俺達と一緒にこないか? 俺も魔法も含めて先頭に不向きなんだ。むしろ、マナの方が強いかもしれない」
「そうなのですか?」
「ああ、何しろ普通の攻撃魔法は筋トレが必要だし、固有魔法(チート)は絵を描く能力だから」
「筋トレ、ですか?」
「あれ? その辺りの説明はされていないのか? 転移する時にその頃やっていたゲームの影響を受けるとかなんとか」
「あ、なるほど、だから私はあの能力。でも、筋トレ? 筋トレというと、あの有名な?」
「あの有名なやつです」
「それはお疲れ様です」

 といったようなすぐに理解してもらえる話をしてから、

「それで俺たちと一緒の行動はどうでしょうか? ただ一緒にいるだけでもいいから」
「……私、どこまでできるかよくわかりませんが、そう言って誘ってもらえたし、多分、ゲームも知っているしその方が呼ばれた理由も分かりそうなので、一緒に行きます」

 そうマナはすぐさま快諾してくれた。
 それに俺は心の中でよし! と思う。
 とりあえずいざとなったらこのパーティから逃げ出しても大丈夫そうだ、俺の代わりを見つけたぞと心の中で思っていると、

「異世界転移者が【二人】もいるのは心強いわ」
「ええ、【二人】もいるものね」

 クレアとリセが、異世界転移者【二人】と強調する。
 なんとなく逃がさないわよ、と言われているような気がして俺は、都合が悪いので聞かなかったことにした。
 そこでマナが、

「でも始め戦闘系の異世界転移者の人に会っていなかったら、私も死んでいたかもしれない魔王の配下の魔物に遭遇したんですよね」
「そんな強い魔物が?」
「はい、だから他の転移者の人がいた方が私も安心できます」

 そう笑うマナにクレアが、

「そんな強い魔物? 異世界転移者でも苦戦するような? ……既存のダンジョンの魔物でも強力なものをあちら側が擁している? その情報は聞きたいわね。どんな風な魔物?」
「えっと、角が生えてて紫色の帯がついていて、目が鋭くて、うろこがあって……」
「え、え? ごめんなさい、ちょっとよく分からないわ」
 
 クレアが困ったようにそう答えるのを聞きながら、【何故か】、マナの言いたい魔物の姿が頭に浮かぶ。
 だからスケッチブックを取り出して、固有魔法(チート)を使い、描き、

「言いたい魔物はこういう感じか?」
「そ、そうです。これです! どうしてわかったんですか?」
「なんか来た。異世界人同士は電波のやり取りでもできるのか?」
「いえ、私に聞かれても」

 そう答えるマナ。
 だから俺はクレアとリセの方を見ると、二人は首を振って、けれどそこでリセが、

「過去の文献では、他の異世界人に危機が迫った時、【虫の知らせ】のようなものがあったらしい、とはあるけれど、そこまで詳しくは……」
「そうなのか。今の要素で既存の魔物に何かヒットしたのか? だが、う~ん」

 そこで自分の描いた魔物を見て俺は、脳裏に映るモンスター図鑑のページを描きながら、

「どれとも似ていない気がするんだよな」

 といった答えに辿り着き、それにクレアが、

「そうなると既存の魔物を改造したものではなくて、新しく作られた魔物、ある程度推測などが出来ない能力を持っているかもしれない? 戦闘のときどんなことがあった?」
「よ、よく分からないのですが、触れた瞬間、魔法でもどんなものでも粉々に霧散しているように見えて、私も、戦闘特化の転移者の人も逃げるので精一杯でした」
「そう。でも他にも覚えていそうなことをまとめられれば逃げる以外の選択肢が見つかるかもしれない。後で詳しく聞かせてもらえるかしら」
「はい」

 マナは頷き、何やら危険な敵がいるみたいだと俺は、嫌な予感を覚えたのだった。 
 

 
後書き
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