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星河の覇皇

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第七十七部第五章 戦争以上の問題その十六

「我々はイスラム世界でしょう」
「そうした相容れないもの同士ですね」
「連合にもキリスト教徒が多いですが」
「最早そうなっていますね」
「対立関係になっていますね」
「千年前の宇宙の進出競争に我々が勝ち」
 連合がだ、そうして彼等は非常に多くのものを得た。
 だがこれでハッピーエンドとならなかった、現実世界は人類の世が続く限り結末なぞはないのだから。
 それでだ、宇宙の進出競争に惨敗したエウロパはというと。
「彼等にはブラウブルグが出ました」
「あの英雄がですね」
「彼等が言うそれがですね」
「EUの大統領となり」
「そこからEUをエウロパにし」
「その初代総統に就任してですね」
「我々に対しました」
 連合にというのだ、連合は国際連合が発展して形成された国だ。
「そうなりましたね」
「そしてその時からでしたね」
「我々とエウロパは対立する様になった」
「千年来の敵対関係となりましたね」
「そうです、その間双方歩み寄ることはありませんでした」
 お互いに敵対し合ったまま発展していった、武力衝突はなかったが対立はずっと続いていったのである。
「ですから」
「それで、ですね」
「我々は今も敵対していますね」
「そしてエウロパ戦役があり」
「今もですね」
「対立していて」
「彼等がどう動くか」
 そしてだった。
「我々がどう対するか」
「それが問題ですね」
「連合にとっては」
「そうです、どうしてもです」
 キロモトは韮餅も食べた、日本の餅米から作る餅とは違い小麦粉を練って焼いたものも中国では餅と呼ばれるのだ。
「我々の外交ではです」
「エウロパにどう対するか」
「それが第一の課題ですね」
「中央政府そして全体として」
「そうなりますね」
「連合の外交は複雑です」
 キロモトは笑ってこうも述べた。
「左様ですね」
「はい、我々各国は連合の中でそれぞれ外交をしています」
「合従連衡を繰り返しています」
「中央政府外務省も連合の中で外交をしていますし」
「連合はその中で外交をしています」
 このことも連合の特色だ、連合という国の中で実に複雑で入り組んだ外交を展開しているのである。
「それでもですね」
「敵対するエウロパにどうするか」
「それが問題ですね」
「我々にとっては何といっても」
「第一です」
 それになるというのだ、何といっても。
「ですから」
「それで、ですね」
「あの国とどう対するのか」
「それが問題ですね」
「連合の中で何かと外交を繰り広げていても」
「エウロパにどうするかが大きいですね」
「そうです、あの国は復興しました」
 まるでヒトラーが総統に就任してからのドイツやブラウベルグが表舞台に出てからのエウロパの様にだ。 
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