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星河の覇皇

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第七十七部第五章 戦争以上の問題その十五

「どうもあの御仁は」
「彼等から見れば英傑ですね」
「エウロパから見れば」
「そうした人物ですね」
「そう思えてきました、敗戦したエウロパを瞬く間に復興させました」
 エウロパがエウロパ戦役で受けたダメージはかなりのものであった、だがそのダメージをまさに瞬く間にというのだ。
「内政を瞬時に立て直すことは」
「ヒトラーがそうしましたね」
「あの人物は破綻していたドイツ経済と内政を立て直しました」
 その極端な計画経済によってだ、曲りなりにもそうしたのだ。
「内政を立て直し国力を整え」
「そして戦争を行いました」
「整えた国力によって」
「そうでした、そしてブラウベルグもです」 
 連合にとっては千年前であっても因縁の人物だ、連合の前に立ちはだかり数えきれないだけ暗殺しようとしたが生き残った。
「そうでしたね」
「はい、欧州を立て直し」
「そうしてでしたね」
「我々にうって出て」
「今のエウロパを築きました」
「そうでしたね」
「内政を立て直すだけでも容易ではないです」
 そこから話したキロモトだった。
「当時のドイツも欧州も」
「そして敗戦後のエウロパも」
「そうでしたね」
「しかしです」
 それをというのだ。
「ヒトラーやブラウベルグは果たし」
「ギルフォード総統もですね」
「そうしてみせましたね」
「そしてエウロパ軍も再建しました」
「あの軍隊も」
「彼はエウロパを発展させ」
 そしてとだ、キロモトはさらに話した。
「さらに動くつもりです」
「そう考えていますね」
「ではですね」
「あの御仁そしてエウロパは」
「復興から発展に向かい」
「そのうえで」
「我々に対します」
 連合、自分達の国にというのだ。
「ですから」
「サハラよりもエウロパですね」
「あの国とどうするか」
「そのことが課題ですね」
「外交としては」
「そうです、あの国との対立は続きます」
 これからもというのだ。
「それならばです」
「これからもですね」
「対外的にはですね」
「あの国が第一で」
「どう対するかですね」
「それが問題です」
 連合にとってはというのだ。
「何といいましても」
「そのことは変わりそうにないですね」
「我々とあの国の関係は」
「千年来の敵対関係ですから」
「おいそれとは変わらないですね」
「彼等をキリスト教世界とすれば」
 キロモトはエウロパの前身が欧州であることからこう例えた、欧州の宗教といえばキリスト教だからだ。 
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