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星河の覇皇

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第七十七部第四章 二度目の引き分けその五十九

「連合の国同士そしてその各国の中でも」
「様々な勢力がモザイク状に存在していて」
「対立ばかりだ」
「民族や宗教、職業に何かと」
「そんなモザイク国家だからな」
「何かとわからないな」
「本当に」
 実際にというのだ。
「そんな状況なので」
「まとまることが難しい」
 連合という国はというのだ。
「本当にな」
「だから国力は圧倒的でも」
「それでもな」
「エウロパにその圧倒的な国力が向かうにしても」
「その六百倍が向かうことはな」
 圧倒的なまでのそれがというのだ。
「まずはない」
「しかしですね」
「国力が圧倒的なのは事実だからな」
「マウリアはエウロパを助けていますね」
「そうしてバランスを取っているってことだ」
 バランサーであるこの国はというのだ。
「つまりな」
「そういうことですね」
「ああ、しかしマウリアはそれでよくてもな」
「我々にしては」
「面白い筈がない」
 少佐はこの本音を出した、連合としてはどうしてもこう思うというのだ。
「だからな」
「今もですね」
「不満を感じているってことだ」
「そうなりますね」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「マウリアは曲者だな」
 こうも言った少佐だった。
「今回のことにしても」
「それはありますね」
「連合にいい顔をしてもな」
「それ以上にですね」
「エウロパにもいい顔をしている」
「そうだな、これは連合の技術もな」
 これもというのだ。
「おそらくな」
「何かとですね」
「あちらに流しているだろうな」
「そうしているでしょうね」
「民間技術もな」
「軍事技術だけでなく」
「何かとだ、例えばな」
 ここでこう言った少佐だった。
「テレビ一つでもな」
「エウロパに流せば」
「それだけで違う」
 連合で普通に売られているそれをというのだ。
「本当にな」
「電化製品一つでも」
「車でも何でもな」
「民間のもの一つで」
「エウロパじゃ大層なものになるんだ」
 技術面からだ、そうなるというのだ。
「それこそ連合で今年出た車なんかな」
「あれですか。あっちじゃオーパーツですか」
「何百年もの技術の開きがあるからな」
 それだけにというのだ。
「同じ車でもな」
「全然違うんですね」
「テレビだってな」
 この電化製品の代名詞もというのだ。
「コンピューターだってな」
「あれですか。マウリア人が観光客として連合で買って」
「それをマウリアまで持って帰ってな」
「そこでエウロパ人に渡したら」
「そこでエウロパに渡ってな」
 そうしてというのだ。 
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