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星河の覇皇

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第七十七部第四章 二度目の引き分けその十八

「それは絶対ではない」
「他の要素で補えば」
「そうすれば勝てる」
「それもまた真理ですね」
「優秀な将兵は数を補う」
 それを可能にするというのだ。
「装備も物量もな」
「その通りです」
「連合の数と装備は圧倒的です」
「それに物量は」
「そう考えると」
「そうだ、相当な訓練と教育でだ」
 この二つでというのだ。
「彼等を圧倒してだ」
「そうしてですね」
「彼等に勝る」
「そうあるべきですね」
「そうなる、十億そして五百個の艦隊でだ」
 それで以てというのだ。
「百三十億、四千個の艦隊に勝つのだ」
「では血の滲む様な訓練を行い」
「徹底した教育も行いますね」
「史上最強の軍隊と言っていいまでに」
「ドイツ軍以上にな」
 二次大戦の頃のだ、ここで日本軍と言わないのは准将もエウロパの者だからだ。それで連合の国を出す筈がない。
「一騎当千と言っていいな」
「狼の中の狼」
「そして狼王の中の狼王ですね」
「その二つで成る軍隊にしますね」
「勿論太った羊にはならない」
 その羊は当然連合軍の将兵達のことだ。
「狼の中でも一際強いだ」
「狼の中の狼」
「それになるべきですね」
「羊が幾ら武装して餓えた狼に勝てない」
 准将は鋭い目で言った。
「ロボにはな」
「あの狼王ですね」
「人とも争った」
「あの狼ですね」
 シートン動物記に出て来る、そのシートンと知恵で渡り合い捕まりはしたが誇り高い死を選んだ見事な狼だ。
「あの狼の様に強くなり」
「連合の羊達を倒しますか」
「そうだ、しかも我々は騎士だ」
 准将はエウロパ軍の士官達が常に思っていることも話した。
「騎士は大衆に負けるか」
「騎士は大衆を治めるものです」
 中尉にある者が答えた。
「守りそして」
「そうだな、ではだ」
「騎士が大衆に敗れることはないですね」
「それが衆愚なら余計だ」
 この衆愚も連合の者達ひいては連合軍の将兵達のことだ。
「負ける筈がない」
「決して」
「その通りですね」
「そのことも念頭に置いてだ」
 そうしてというのだ。
「我々はな」
「騎士としてですね」
「自分達を鍛えていきましょう」
「犬から狼になりましょう」
「それも狼の中の狼に」
「そうなろう」 
 こう言ってだ、そしてだった。
 准将はデザートも食べた、それでこうも言った。
「我々も贅沢だろうか」
「サハラから見ればそうだといいますね」
「どうにも」
「我々の暮らしは贅沢だと」
「そう言っていますね」
「こうしてだ」
 アイスクリームを食べつつ言うのだった。 
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