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星河の覇皇

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第七十七部第四章 二度目の引き分けその九

「いいな」
「わかりました」
「それではです」
「食事を摂らせて頂きます」
「その様に」
「私も当然だ」
 命じるアッディーンもというのだ。
「そうするしな」
「そうですね、若しもです」
「食べることが出来なければ」
「人間は動けなくなります」
「どうしても」
「そうだ、人間は睡眠とだ」
 それと、というのだ。
「食事もだ」
「食べないとですね」
「力が出ないですから」
「常に何かしら食べないと」
「人は戦えないですね」
「それこそ一食でも抜くとな」 
 この時代ではそうだ、サハラでも三食口にするのが普通というよりかは空気がある様に当然のことになっているのだ。戦乱に覆われている地域でも。
「力が出ないな」
「そうですね」
「だからですね」
「順番で、ですね」
「食べていくのですね」
「そうしてもらう」
 こう言って食事も摂らせる、戦闘中だが両軍とも食事も睡眠もレーションと酸素マスクだが忘れていない。
 その中で犠牲は止まらない、多くの艦が沈み星の海の中に消えていく。そうして戦闘は遂に四日目から五日目に入ったが。
 損害は今回も両軍共に七割を超えた、エウロパ軍の観戦武官達もその戦闘の被害について驚きを隠せなかった。
「相変わらずだな」
「全くですね」
「両軍共」
「損害をものともせず」
「攻撃の応酬を続けています」
「それも何日も」
 観戦武官達は次々に言った。
「前回もそうでしたが」
「よく何日もああした戦闘を続けられます」
「恐ろしい位に激しい戦いです」
「よく行えるものです」
「これだけ戦えばな」
 准将の階級にある者が言った、エウロパ軍の観戦武官の一番上の階級にある者だ。彼は当直の観戦武官には観戦を続けさせているが今は他の者達と共に食事を摂っている。マウリア軍の艦の中にそうした場所も用意してもらっているのだ。
「もういい加減な」
「嫌になりますね」
「大抵は」
「そのあまりもの損害の多さに」
「両軍共士気を失いますが」
「士気は衰えないです」
 他の士官達も准将に応えて言う。
「まるで死を恐れない様に」
「疲れを知らないかの様にですね」
「戦闘を続けています」
「飽くなく」
「凄いものだ、あれだけの戦意をな」
 准将はステーキを食べつつ言った、今の食事のメインディッシュであり大きな牛肉をレアで焼いている。
「我々も持ちたいが」
「到底ですね」
「あれだけの戦意は持てないですね」
「どれだけ損害が出ても戦場に死を恐れずに立てる」
「何日でも戦える」
「それだけの戦意を持てることは」
「まず無理です」
「だがその無理をだ」
 准将はあえて言った。 
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