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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百八話 最高の雪その八

「それでね」
「車の運転はなの」
「それでスポーツ全般がね」
 僕は総帥さんが身体を動かされることは見たことがないけれどだ。
「さっぱりらしいんだ」
「そうなの」
「そこはね」
「欠点なのね」
「いつもそう言われてるし実際にね」
「運動神経はなの」
「他の人がそう言ってるよ」
 僕よりずっと総帥さんを知っている人がだ。
「そうなんだ」
「誰でも完璧じゃないわね」
「人間はね、けれど素晴らしい人は事実だから」
 このことはだ。
「尊敬されているよ」
「皆から」
「そうだよ、しかし何か」
 ここで僕は頬に当たる風を受けて言った。
「冷えてきたね」
「そうよね」
「やっぱり冬だね」
 その真っ只中だ。
「冷えるね」
「そうよね」
「神戸は風も強いし」
 六甲おろしのせいでだ。
「余計にね」
「北海道よりは流石にましでも」
「関西の中では特に寒いよ」
「そうした街ね」
「そのことは本当に実感したよ」 
 今実際にだ。
「冷えるって」
「それにお酒もね」
「醒めてくるし」
 かなり飲んだけれどだ。
「だからね」
「冷えてくるわね」
「程よいところでね」 
 僕は香織さんに提案した。
「帰ろうね」
「わかったわ」
 香織さんも頷いてくれた。
「そうしましょう」
「そういうことでね」
「今日は色々あったわね」
 香織さんは感慨を込めてこうも言った。
「植物園行って百貨店行ってスパゲティ食べて」
「商店街も行ってね」
「ディナーも食べて」
「それでだよね」
「今もイルミネーション観て」
「色々あったね」
「ええ、高校生らしくなかったかも知れないけれど」
 かなり大人だったと僕も思う。
「楽しかったわ」
「そうだったね」
「素敵なクリスマスだったわ」
「僕もそう思うよ」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「こうしたクリスマスでなくても」
 さっきの話がここでも出た。
「楽しめればいいわね」
「そうだよね、もうケーキ屋さんとかにいたら」
「まさに商売の時よね」
「そうした感覚でね」
「お仕事に必死になって」
 ケーキを作って売ってだ。
「それで売れたらね」
「よかったってなってね」
「楽しめるわね」
「クリスマスの楽しみ方は色々だから」
 僕はさっき言った通りにだ。 
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