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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その二十六

「轟沈する艦もな」
「そうですね、確かに」
「オムダーマン軍ティムール軍共に」
「撃沈される艦が多いです」
「轟沈している艦も」
「こうした戦闘も珍しい」
 まさにというのだ。
「前もそうだったがな」
「今回もですね」
「そうした戦闘になっていますね」
「正面からぶつかり合い」
「ビーム同士の直撃も多いですが」
「撃沈される艦が多く」
「轟沈も多いですね」
 言っている傍からだ、その轟沈する艦が次々に出ていた、オムダーマン軍の戦艦の一隻が中央から真っ二つに折れそこから火球となり消えていくのが見えた。
 その轟沈を見てだ、中尉の階級の男が言った。
「あの艦の乗員は」
「一人もだな」
「助かっていないでしょうね」
「おそらくな」
 大尉の階級にある者が応えた。
「あの沈み方ではな」
「そうですね」
「砲艦の攻撃を受けてな」
 それでだった。
「一撃でだったな」
「轟沈でしたね」
「ああした轟沈はそうは観られない」
 大尉も言う。
「普通の戦闘ではな」
「それが今回でも」
 前回の会戦と同じくというのだ。
「よく起こっていますね」
「強力な攻撃を受けてな」
「そうなっていますね」
「全くだ、しかもまだだ」
「はじまったばかりです」
「戦いはこれからだ」
 まさにというのだ。
「まことにな」
「そうですよね」
「序盤も序盤だ」
「前回は五日行われていますし」
「五日こうだとな」
「今回もですね」
「両軍共相当な損害が出るな」
「そうなりますね」
「その戦闘を見ていく」
 まさにとだ、大佐も言ってきた。
「いいな」
「はい、このまま」
「戦闘終了までですね」
「当直も置いたうえで」
「そのうえで観ていきますか」
「これから」
「そうしていこう」
 大佐はこう言ってだ、そのうえで。
 己の従兵が出した紅茶を飲んだ、それはウィンナーティーだったがその紅茶を飲んでこんなことも言った。
「我々は今は紅茶も楽しめるがな」
「オムダーマン軍もティムール軍もですね」
「飲むのもですね」
「隙を見てですね」
「戦闘中の食事は難しい」
 このことは古来は特にだ、食事は言うまでもなく人に栄養を与えるだけでなく気力も回復させ体力もだ。だがその時にこれ以上はないまでに隙が出来るからだ。 
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