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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その二十四

「生存者は全員無事にそうしたとのことです」
「それは何よりだ、あの艦の艦長はな」
 艦長は己の艦のビーム攻撃の状況を見つつ言った、敵の巡洋艦一隻を直撃して中破させているのが確認出来た。
「同郷でだ」
「それで、ですね」
「士官学校でも同期だった」
「それだけにですね」
「無事なら何よりだが」
「はい、艦長もです」
 ブワイフの艦長、彼もというのだ。
「左足を負傷されたそうですが」
「それでもか」
「命に別状はなく脱出出来たとのことです」
「それは何よりだ」
 艦長もその話を聞いて安堵した顔になった。
「そして他の乗員もな」
「九割以上が生存していてですね」
「そのこともだ」
「よかったですね」
「まことにな、やはりな」
「艦が沈んでも」
「人が助かればなによりだ」
 こう思うというのだ。
「まことにな、しかしな」
「はい、また敵の攻撃が来ます」
 今度は砲雷長が言ってきた。
「敵の二撃目が」
「そうだな」
「では艦長、ここは」
「ビーム攻撃の後はだ」
 自分達のというのだ。
「次はだ」
「はい、前面にですね」
「バリアーの力を集中させてだ」
 そのうえでというのだ。
「防御力を強化すると共にだ」
「回避運動に入りますね」
「それは船務長に一任する」
 その彼にというのだ。
「そうしてだ」
「はい、敵の攻撃を凌ぎますね」
「今回もな、まだビームの応酬は続く」
 実際にそれは続いていた、両軍共激しいビーム攻撃を行いそれによって多くの犠牲を生み出して戦っている。
「それでだ」
「はい、今回も」
「敵の攻撃を凌ぎだ」
 そのうえでというのだ。
「いいな」
「はい、次の攻撃の時にですね」
「やり返すぞ」
 受けた分をというのだ、こう話してだった。
 艦長は実際に自身が預かっている艦の前敵が攻撃を仕掛けるその方にバリアーを集中させたうえでだった。
 上下左右にジグザグ状に動き敵の攻撃をかわした。幸いにして今回の攻撃では艦は無傷であった。しかし。
 敵の攻撃の後でだ、艦長はこう言った。
「危うかったな」
「はい、あと一歩遅れていれば」
 副長が険しい顔で応えた。
「至近弾がありました」
「そうだったな」
「あれは強かったです」
「戦艦の主砲だったな」
「あれを受けていますと」 
 至近弾でもというのだ。
「この艦も危なかったです」
「バリアーをしていてもな」
「ダメージは逃れられませんでした」
「そうだった」
 その至近弾を受ければだ。 
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