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麗しのヴァンパイア

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第三百二十五話

             第三百二十五話  先生達からの返事
 先生達は自分達が書いた返事をポストに入れた、そして返事は程なくしてカーミラのところに来たが。
 カーミラはその返事を読んで微笑んで使い魔達に話した。
「これまた実にいいものね」
「筆で書いていますね」
「それも和紙に」
「ご主人様もそうされましたが」
「あちらもですね」
「そうしてきましたね」
「実に古風ね」
 日本のそれだというのだ。
「これは」
「左様ですね」
「風情があります」
「まさに日本です」
「それを感じます」
「書道は中国からはじまっているわ」
 そして今も存在している。
「けれど中国の書道と日本の書道は違うわね」
「やはり中国は漢字です」
「漢字の国です」
 使い魔達も話した。
「漢字のみで文章を構成しています」
「そして書道も」
「けれど日本は違うわ」
 この国の書道はというのだ。
「そうね」
「はい、確かに」
「日本は漢字だけではありません」
「平仮名と片仮名もあります」
「三つの文字を組み合わせて文章を作っています」
「そして書道も」
「そう、そしてその文章でね」
 日本語のそれでというのだ。
「書かれているけれど」
「独特の美しさがありますね」
「中国語とはまた違った」
「日本語のそれがありますね」
「日本の書道のそれが」
「それを見られただけでも」
 それだけでもというのだ。
「よかったわ、ではね」
「はい、今度の日曜日ですね」
「夜の十二時にですね」
「その時に」
「ポートピアのタワー前において」
「お二方と」
「勝負よ、勝負の前にいいものを見たわ」
 こう言ってだった、カーミラは先生達からの返事を収めた。そうしてそのうえで使い魔達に勝負の用意を進める様に命じた。


第三百二十五話   完


                2020・12・20 
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