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少しずつ太っていって

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第三章

「よかったわ」
「他の猫達とも仲がいいし」
「後はもっとね」
「もっとか」
「太ってもらいましょう」
「そうだな、ガリガリよりはな」
「ある程度太ってる方がいいから」  
 健康的だというのだ。
「だからね」
「それじゃあな」
「毎日ご飯をたっぷり食べてもらいましょう」
「これからもな」
「ええ、ただね」
 ここで妻はこうも言った。
「ナンシーさんが拾ってくれなかったら」
「アッティラは俺達のところには来なくてな」
「それでどうなっていたかわからないわね」
「すぐに死んでいたな」
 ナンシーが拾って自分のいる施設に連れて行かなかったならというのだ。
「多分な」
「そうよね、これはナンシーさんのお陰ね」
「アッティラが助かったのはな」
 二人で話してナンシーにお礼を言った、だがナンシーは二人に笑って返した。
「ボランティアの活動ですから」
「いいか」
「そうなの」
「当然のことですよ」
 ボランティアの活動の中ではというのだ。
「構いません、それに今アッティラを育てているのはお二人ですし」
「それでか」
「私はただ連れて行っただけです、お二人の方が凄いです」
「俺達もこれが活動だからな」
 クリスはクリスでこう言った。
「だからな」
「いいですか」
「当然のことだよ」
「そうですか」
「ああ、じゃあ俺達は自分達にとって当然のことをしてか」
「アッティラを助けましたね」
「そうだな、じゃあこれからもこいつと一緒にいるな」
 クリスは笑顔で話して妻そしてナンシーと共にアッティラを見た、彼はもうすっかり肉付きがよくなって他の猫達と共にいた。そのうえで元気に遊んでいた。もうあの痩せ細りボロボロの彼ではなかった。


少しずつ太っていって   完


                 2021・2・25 
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