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少しずつ太っていって

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第二章

 名前はアッティラとした、今は弱々しいがやがて欧州を席巻した圧倒的な武力の持ち主の様になって欲しいと思ってのことだ。
 施設でその名前を付けた、クリスはすぐに妻のメアリー黒髪で黒い目の小柄な彼女にその猫を見せて話した。
「こいつもな」
「これからはなのね」
「家族にするな」
 こう言うのだった。
「もうボロボロだからな」
「そうね、放っておいたらね」
 妻も夫と共に生きものの養育ボランティアをしている、その立場から言った。
「危ないわね」
「だからな」
「それでなのね」
「連れて来た、すぐにご飯を腹一杯食わせてゆっくり寝かせるぞ」
「そうするのね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「明日病院に連れて行ってくれるか」
「わかったわ」 
 妻の返事は一言だった。
「それじゃあね」
「あとうちの子達にもな」
 既に家にいる猫達にもというのだ。
「会わせてくれるか」
「そのこともね」
「しような、受け入れてくれたらいいな」
「そうね。うちの子達も元々保護猫だし」
 それでというのだ。
「同じ様な立場だったし」
「だから仲良くしてもらわないとな」
「本当にね」 
 こうした話もしてだった。
 二人はすぐにアッティラにご飯をあげた、そうして三匹の家にいる猫達に話した。雄の灰色と黒の毛のスコティッシュフォールドのマイクの雌の黒のメイクイーンのミューそして白と茶のソマリとアメリカンショートヘアの混血の雌のハンナだった。
 三匹はアッティラを見るとすぐにだった。
「ニャア」
「ミャア」
「ナア」
 彼を自分達の中に入れた、そうして彼を労わる様に寄り添った、すると弱っているのであまり動けないアッティラも。
 警戒していたが安心した、そうして落ち着いてだった。
 ご飯を食べてゆっくりと寝た、夫婦はその彼を見てまずは安心した。そうしてだった。
 病院に連れて行くと弱り切っていていた栄養のあるものを多く食べさせゆっくりと眠らせかつ薬を飲んでいると絶対に回復するとのことだった。夫は仕事から帰って妻からその話を聞いてほっとした。そのうえで。
 獣医が言った通りにだった。
 アッティラは体調がよくなってきた、そして。
「毛並みもよくなってきたわね」
「そうだな、それで少しずつな」
 夫も彼を見て話した。
「太って来たな」
「そうね」
「身体もサロンに連れて行って奇麗にしたし」
「もう汚くもなくて」
「随分よくなったな」
「そうなったわね」
 夫に笑顔で話した。 
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