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オズの木挽きの馬

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第十一幕その十一

「わからないよ」
「不思議な国だっていうのね」
「若しかしてオズの国並に不思議な国かな」
 木挽きの馬はこうも思いました。
「若しかして」
「お寿司なんてね」
 モジャボロも言ってきました。
「他の国にはないしね」
「あの食べものもですか」
「不思議だよ、オズの国にも日本は入っているけれど」
 それでもというのです。
「アメリカや中国に負けていないよ」
「同じ位不思議な国ですか」
「うん、心から思うよ」
「そうですか」
「だから和歌も楽しみたくなるね」
 こちらもというのです。
「僕としては」
「和歌ですか」
「あれを詠ってね」
 そうしてというのです。
「楽しみたいね」
「モジャボロさんとしても」
「雅っていうかな」
「その気持ちにですか」
「入りたいね」
 こう恵梨香に言うのでした。
「僕は」
「オズの国にいても」
 グリンダも言うことでした。
「私はアメリカと中国とね」
「日本のことはですか」
「どれだけ触れても不思議に思えるわ」
「そうなんですね」
「勿論他の国も不思議だけれど」
「イタリアやドイツもですね」
「イギリスもね、勿論ロシアやブラジルもね」
 ナターシャ、カルロスのそれぞれのお国の事柄もというのです。
「不思議で楽しくて魅力的よ」
「それでもですか」
「この三国は私としてはね」
「特に印象的ですか」
「魔法そのものみたいよ」
「そこまでなんですね」
「ええ、妖怪の人達もだしね」
 旅の途中で出会ったこの人達もというのです。
「不思議よね」
「はい、確かに」
「だからね」
「グリンダさんも日本の事柄はですか」
「大浮きよ、和歌だってね」
 こちらもというのです。
「親しみたいわ」
「そうですか」
「心からね」
「じゃあ今度機会があったら」
 恵梨香はグリンダの言葉を受けて言いました、
「歌会を」
「和歌を詠うのね」
「それをします?」
「いいわね、雅ね」
「日本では天皇陛下が主催されたりします」
 日本の国家元首であられるこの方がというのです。
「それで詠われるんです」
「天皇陛下ってオズマ姫もお会いしたいっていう」
 木挽の馬はここで言いました。
「あの二千六百年以上続いている」
「そう、あのお家の方よ」
「そうだよね」
「オズマ姫もお会いしたいのね」
「機会があればって言ってるよ」
 木挽きの馬は恵梨香に答えました。 
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