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筆まめ少女

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第三章

 そしてさらに数日用心をしていたが何と通り魔は昼の街でも一番賑やかな場所に出てそうしてだった。
 刃物を持って暴れだした、それでだった。
 何人か切って取り押さえられた、幸い犠牲者はいなかったが。
 その通り魔の話を聞いて皆戦慄した。
「覚醒剤中毒って」
「それマジでやばいでしょ」
「覚醒剤が怖いのは知ってたけれど」
「それで暴れるって」
「どれだけやばいのよ」
「そんな奴がいるなんて」
「本当に怖いわね、世の中」 
 皆しみじみと思った、そして。
 このことについてだ、こうも言うのだった。
「けれど菫ちゃんよく知ってたわね」
「新聞でもテレビでも言ってなかったのに」
「ネットでも出ていなかったのに」
「何で知ってたの?」
「それで私達にメールで教えてくれたの?」
 皆そのことが不思議だった、それでだ。
 好美は菫に食事中にその理由を聞いた、何故通り魔のことを知っていたのか。すると菫はこう好美に話した。
「ちらっと見たのよ」
「ちらっと?」
「この街に夜刃物を持ってうろうろしてる奴がいるってね」
「そんな話見たの」
「ネットでたまたまこの街の情報チェックしてたら」
 その時にというのだ。
「あの六ちゃんでね」
「ああ、あそこね」
「あそこの書き込みでね」
 非常に多いその中でというのだ。
「一つあって」
「それ見てなの」
「皆に言ったの」
「そうだったの、けれどね」
 それでもとだ、好美は菫に言った。共にスイーツカフェでパフェを食べながら。
「普通はね」
「そんな書き込みはなの」
「見てもね」 
 例えそうしてもというのだ。
「ふーーんで終わりで」
「それでなの」
「メールもしないでしょ」
「見てすぐにに気になったから」
 それでというのだ。
「メールしたの」
「いつもみたいに」
「そうしたの」
「それで出て来る前になの」
「そう、言ったの」
「情報源はネットね」
 好美はこのことはわかった、だが。
 それでもという顔になってだ、菫に言った。
「けれど普通六ちゃんのそんな書き込みでね」
「メールしないの」
「そうでしょ、嘘か本当かわからないしね」
 このこともあってというのだ。
「普通すぐに忘れて」
「だから忘れる前にね」
「私達にメールしたのね」
「そうなの」
「いつもの調子ってことね、けれどね」
 それでもとだ、好美はパフェ苺のそれを食べつつ菫に言った。
「今回は用心出来て若しかしてそのせいで皆助かったかも知れないから」
「それでなの」
「よかったわ、菫ちゃんのメールのお陰でね」
「それは何よりね」
「昔で言うと筆まめね」
 好美はこうも言った。
「これって。それでね」
「私の筆まめがなの」
「皆を助けてくれたかも知れないわね」
 笑顔で言うのだった。 
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