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自閉症を癒してくれる猫

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第二章

「そうしてね」
「うん、あとね」
「あと?」
「これから毎日スーラと一緒に寝ていい?」
 母にこうも言った。
「そうしていい?」
「ええ、わかったわ」
 そのことについても頷いた、そして。
 娘にクレヨンを渡すとすぐにだった。
 今は寝ているスーラを見ながら描きだした、そして彼女の絵を描き終えると。
 他の絵も描きだした、アイリスはそれから毎日いつも絵を描く様になりスーラ以外にも色々な生きるものや人、ものを描く様になった。
 そうして自然と口数も増えた、それで医師も言った。
「いや、まさかです」
「ここまで、ですね」
「アイリスがよくなるとは思いませんでしたね」
「スーラが来てくれてから」
「ここまでよくなるなんて」
「はい、アニマルヒーリング以上にです」
 医師の予想以上にというのだ。
「遥かにです」
「効果があった」
「そうですか」
「ええ、スーラはアイリスちゃんの友達で家族で」
 そしてというのだ。
「掛け替えのない存在になってくれて」
「それで、ですか」
「アイリスを救ってくれたんですね」
「救ってくれています」
 今もというのだ。
「そうしてくれています」
「そうですか」
「あの娘はそうしてくれていますか」
「はい、そして」 
 医師はさらに話した。
「これからもです」
「アイリスの傍にいてくれて」
「救ってくれますか」
「必ず」
 そうしてくれるというのだ。
「ですから何があってもです」
「アイリスとスーラは一緒にですね」
「いるべきですね」
「あの娘達には絆が出来ました」
 何よりも固いそれがというのだ。
「ですから」
「はい、これからもスーラはアイリスと一緒です」
「そうなる様にしていきます」
 両親も約束した。
「アイリスを救ってくれましたから」
「あの娘達をずっと一緒にいられる様にします」
「その様にお願いします」 
 医師もこう言った、そしてだった。
 アイリスはスーラといつも一緒にいる様になった、するとだった。
 彼女は日に日によくなった、そうしてスーラとさらに仲良くなり。
 今もスーラを描いていた、そうして両親に話した。
「これからもずっとね」
「スーラと一緒にいてだな」
「スーラの絵を描くのね」
「うん、そうするわ」 
 こう答えてクレヨンを動かし続ける。
「将来絵の具を使う様になっても」
「そうか、頑張れよ」
「そうしていってね」
 両親はそんな娘を見て優しい笑顔になった。それはアイリスも同じでスーラもだった。誰もが優しい笑顔を浮かべその中にあった。


自閉症を癒してくれる猫   完


               2021・1・27 
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