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八条学園騒動記

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第五百九十八話 能力と人気その十二

「それがヤクザ屋さんの儲ける元だし」
「余計に手を出すものじゃないな」
「そんなものに手を出したらだよ」
 それこそというのだ。
「これ以上はないまでに」
「馬鹿だな」
「学校の成績がよくてもね」
「そう言えるな」
「だから頭の悪い人っていうのは」
「学校の成績のことじゃないな」
「生き方だよ」 
 それで言えることだというのだ。
「つまりね」
「そうなるか」
「そう、まさにね」
「生き方か」
「偏った本ばかり読んで」
「信じたいものばかり信じてか」
「そしてね」
 それでというのだ。
「全く進歩のない」
「それも馬鹿だな」
「うん、頭の悪い人も」
「それぞれだな」
「それで程度があって」
「麻薬したりな」
「そうした偏見ばかり強くて偏ったままとか」
 菅が今話している様なというのである。
「そんな人がね」
「馬鹿か」
「最悪のね」
「カルトに取り込まれたみたいなものか」
 フックは菅の話を聞いてこうも言った。
「それなら」
「ああ、カルトだね」
「そんな感じか」
「カルトに入るのは頭が悪いからじゃないけれどね」
「また違うな」
「頭がいい人でもね」 
 それでもというのだ。
「洗脳されてね」
「カルトに入ってか」
「おかしくなるけれど」
 それでもというのだ。
「そうした人達はね」
「また違うか」
「もう何ていうか普通にどうしようもなくね」
「馬鹿でか」
「そうなって」
 下の下の下以下、菅が言うそれにだ。
「出ないんだよ」
「そうなんだな」
「カルトにそっくりだけれど」
「カルトとはまた違うか」
「ただひたすら頭が悪いんだ」
 そうなるというのだ。
「人間としてね」
「それで偏見ばかり強くてか」
「もうそこから出ないんだ、もうあそこまで頭が悪いと」
 無表情だったが吐き捨てる言葉だった。
「まさに付ける薬がない」
「そんな連中か」
「僕はそう思うよ」
「それでそんな連中にはならないことか」
「それが大事だと思うよ、そうした人達を見て」 
 そのうえでというのだ。
「間違ってもね」
「ああはなるまいか」
「そう思って」
「心に刻んでか」
「ならないことだよ、その人を嫌い憎み軽蔑するなら」
 それならばとだ、菅はフックに話した。
「その人みたいにはならない」
「反面教師だな」
「まあそうした頭の悪い人に存在意義があるなら」
「反面教師か」
「それだけだよ」
 そうなるというのだ。
「もう他にはね」
「ないか」
「僕はそう思うよ」
「フックはどう思うかな」
「俺も同じだな」
 フックはこう言ってブランデーの最後の一口を飲んだ、そのうえで菅にシャワーを浴びると言ってその場を沙汰、菅はもう少し飲むと言って実際に飲んでそれからシャワーを浴びた。だが夜はまだこれからだった。


能力と人気   完


                    2020・12・2 
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