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八条学園騒動記

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第五百九十八話 能力と人気その五

「努力していない有能な人は」
「そうだね、けれどね」
「無能はか」
「努力していない人だよ」
「そうした奴だな」
「それかその分野に全く不向きかね」
「モーツァルトにサラリーマンをさせてもな」
 フックはふとこの天才のことを思い出し話に出した。
「務まらないな」
「絶対にね」
「モーツァルトは音楽の天才でもか」
「サラリーマンだと」 
 この仕事ならというのだ。
「多分ね」
「どうにもならないな」
「適材適所ってあるけれど」
 この言葉がというのだ。
「モーツァルトはもう音楽以外はないよ」
「音楽なら何でもござれだな」
「クラシックでもね」
 当時音楽はこればかりだった。
「行進曲、交響曲に歌劇にね」
「ピアノにな」
「何でもね」
 それこそというのだ。
「出来たよ」
「そうだな」
「しかしね」
 それでもというのだ。
「確かにサラリーマンだとね」
「絶対にどうにもならないな」
「そんな人だよ」
「そうだな」
「この場合は仕方ないよ」
「向き不向きはか」
「それはね、ただその分野で努力していないなら」
 それならというのだ。
「もうね」
「どうしようもないな」
「そうした人がね」
「第一野党としてか」
「日本ではずっといたんだ」
「選挙で落とすことも出来なかったか」
「だってマスコミに贔屓されて」 
 それでだったのだ。
「色々喧伝されていたから」
「だから残っていたか」
「一部のマスコミは与党に厳しくてね」
「野党に甘かったか」
「そうだったから」
 所謂偏向報道だ、マスコミは事実のみを報道するだの絶対に中立の存在だの正義だのというのはこの時代では誰も信じていないことだ。
「それでね」
「結果としては」
「うん、そうした政治家がね」
「残ったんだな」
「無能でしかも」
 それに加えてだ。
「腐りきったね」
「どうしようもないな」
「それで日本では今も言われているんだ」
 菅はコップにウイスキーを入れつつ話した。
「政権を担当出来る政党を二つ持つことはね」
「物凄く難しいか」
「そうした政党を一つ作ることは難しいけれど」
「二つはか」
「遥かに難しいってね」
 その様にというのだ。
「言われているよ」
「そうなんだな」
「その野党があまりにも酷くて」
「他人を責めるだけでか」
「自分達のことは知らん振りでね」
 所謂ブーメランが返って来てもだ。 
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