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オズの木挽きの馬

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第九幕その十

「文字は読めるがな」
「オズの国の英語もですね」
「漢文も読めるし日本語もな」
 こちらもというのです。
「詠めるがな」
「学問はですか」
「どうも苦手でな」
 それでというのです。
「苦労しておる」
「そうですか」
「今もな、しかし殿も言われておるし」
 幸村さんがというのです。
「しっかりとな」
「学ばれていますか」
「そうしておる」
「そうですか」
「殿の言われることなら」
 それならというのです。
「必ず聞いてな」
「その様にされるんですね」
「それが十勇士だからな」
「学問も頑張っておられますか」
「そうしておる、ではお主達はこれからもか」
「黄金の羊のいる場所に行くよ」
 木挽きの馬が答えました。
「これからもね。あと少しだし」
「そうか、ではな」
 清海さんは木挽きの馬の返事を聞いて微笑んで言いました。
「これからの道中もな」
「そちらもだね」
「安らかにな」
「そうしてだね」
「進む様にな」
「そうしていくね」
「ではな」 
 清海さんは一行を笑顔で送り出してくれました、そうしてお互い手を振り合って再会を約束してでした。
 一行はまた旅に入りました、そこでです。
 恵梨香は木挽きの馬にこう尋ねました。
「貴方黄金の羊とお話したの?」
「うん、したよ」
 木挽きの馬は恵梨香に答えました。
「会ってね」
「じゃあどうして家出したのかも」
「聞いたよ」
「外に出たくてって聞いたけれど」
「それで充分外を見て満足したってね」
「言ってたの」
「けれど僕達が迎えに来るまでそこにいたいってね」
 そう言ってというのです。
「僕達を待っているんだ」
「そうなのね」
「そこから移ることしないってね」
「言ってるの」
「だから安心していいよ」
「私達はそこまで行けばいいのね」
「黄金の羊がいる場所までね、そしてね」
 木挽きの馬はさらにお話しました。
「彼と会って」
「牧場まで一緒に帰ればいいわね」
「レッド牧場までね」
「それでいいのね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「僕達の旅は今回も色々あったけれど」
「それでもなのね」
「あと少しで目的を果たせるよ」
「それはいいことね」
「だからね」
 恵梨香にこうも言います。
「これからね」
「黄金の羊がいる場所まで」
「行こうね、そこで彼はご飯を食べて」
 そうしてというのです。 
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