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オズの木挽きの馬

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第九幕その九

「そうかしら」
「聞いてる限りだとそうだね」
「それじゃあね」
「では今から清海さんと一緒にしましょう」
 木挽きの馬とガラスの猫もしてみようとなったのを聞いてです、グリンダは清海さんに一緒にと答えてでした。
 そのうえで皆は清海さんと一緒に座禅を組みました、その座禅の後で恵梨香は不思議なお顔で言いました。
「何か思っていたのと」
「違うか」
「はい、雑念があって」
「肩を叩かれるな」
「棒で」
「ははは、それはない」 
 清海さんは笑顔でお話しました。
「それはな」
「そうですか」
「そもそも今は叩く者もおらんな」
「そうですね、それは」
「しかも普通に座禅をしているとな」
「瞑想しているとですね」
「そうして叩かれることはな」
 これはというのです。
「まずはない」
「そうなんですね」
「心を静かにしてな」
 その様にしてというのだ。
「何もなくす」
「そうすればよくて」
「それでじゃ」 
「叩かれることもなくて」
「静かにな」
 心をそうしてというのです。
「何も考えずにな」
「していればいいですか」
「うむ」
 まさにというのです。
「ただな」
「それが座禅なんですね」
「瞑想じゃ」
「そうですか」
「だから勧めたのじゃ、座禅には叩かれるイメージがあるが」
「それはですね」
「違う」
 そうだというのです。
「そこはわかってくれ、だからな」
「それで、ですね」
「またするといいぞ」
「座禅をですね」
「うむ、確かにわしはこうした性格じゃが」
 考えなく動く性格でもというのです。
「それでもじゃ」
「座禅もですね」
「するのじゃ」
「それがいいですね」
「左様、すっきりしてよいであろう」
「はい、本当に」
「だからわしは毎日この修行もしておる」
 座禅もというのです。
「そして瞑想に励んでおる」
「そうなんですね」
「そしてな」
「そして?」
「武芸の方もしておる」
 こちらの修行もというのです。
「全てな、ただ学問はな」
「そちらはですか」
「毎日しておるが」
 それでもというのです。
「どうも苦手じゃ」
「そうですか」
「書を読むことはな」
 このことは少し苦笑いで言いました。 
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