| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百九十七話 毎日すべきことその十

「嫌われてるんだ」
「日本ではか」
「冷酷非情なイメージがあってね」
「それでか」
「敵とか邪魔だとかいらないとか思ったら」
 その時点でというのだ。
「皆殺していたからね」
「嫌われているんだな」
「今も創作の世界じゃ大抵悪役だし」
「そこまで嫌われているか」
「それで井伊直弼さんもね」
 この人物もというのだ。
「幕末の大老だったけれど」
「確か安政の大獄でな」
「うん、物凄い粛清をして」
 本来なら死刑にならない人物を次々と己の独断でそうしていった。
「しょっちゅう人を厳罰にしていてやたら口煩くてね」
「嫌われているんだな」
「死んだ時に大喝采だったっていうから」
 江戸城でも江戸の街でもだ。
「生前から嫌われていて」
「今もか」
「やっぱり創作の世界じゃ大抵悪役だよ」
 井伊直弼にしてもというのだ。
「そうなっているよ」
「そうなんだな」
「この二人はね」
「中央政府の軍艦の名前にもならないか」
「他にもそうした人いるけれどね」
 日本の歴史で評判の悪い人物はだ。
「まあ嫌われているとね、連合でもエウロパでも」
「カクテルの名前にはなってもか」
「軍艦の名前にはならないよ」
「そういうことか」
「ちなみに連合軍エウロパ戦役でエウロパ軍のそうした軍艦随分沈めてるよ」
 歴史上の人気のある人物の名前を冠した軍艦をというのだ。
「ディズレーリとかネルソンとかナポレオン三世とかビスマルクとか」
「全部沈めたんだな」
「あとフェリペ二世とかね」
「全部沈めたんだな」
「中にはティアマト級の巨砲で消し飛んだのもあったよ」
 そうした軍艦もというのだ。
「直撃受けてね」
「消し飛んだっていうと」
「その直前に大破していて乗員は全員退避していたらしいけれどね」
 艦と運命を共にした者はいなかったというのだ。
「けれどね」
「名前のある船を随分沈めたか」
「バルボアとかピサロとかコルテスもあったみたいだよ」
「コンキレスタドールだな」
「うん、その連中の名前の戦艦もね」
「沈めたか」
「仇を取ったね」
 菅はこうも言った。
「そうなったね」
「そうだな、コンキレスタドールってな」
「侵略してね」
 中南米をそうしてというのだ。
「国を滅ぼして文明を破壊して」
「沢山の人達を殺したな」
「そんな連中だからね」
「その連中の名前の戦艦を沈めたとかな」
「痛快なことだね」
「全くだな」
「連中はエウロパじゃ英雄だから」
 その扱いだからだというのだ。
「戦艦の名前にもなっているんだ」
「そうなんだな」
「あとバスコ=ダ=ガマもね」
「あの滅茶苦茶残虐な奴か」
 敵をバラバラにして惨殺したことは連合ではあまりにも有名だ、むしろかなり歪曲して言っていた李する。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧