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おぢばにおかえり

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第六十二話 二人乗りその四

「存在しているだけで」
「揉めごとの種なのね」
「そうした人なんで」
 それでというのです。
「見てきて嫌になってます」
「それで普通のことがいいっていうのね」
「そうなんですよ、普通に遊ぶとか」
 そうしたことがというのです。
「そうしたこともいいってです」
「思ってるのね」
「そうなんですよ、どうしようもない母子がいるせいで」
 一族にというのです。
「そうも思っています」
「阿波野君も色々あるのね」
「どの家もそうだと思いますけれど」
「ただ阿波野君のお家は本当に色々あるのね」
「いんねんが随分強いんでしょうね」
 こう私にお話してきました。
「やっぱり」
「一族のいんねんが」
「その叔父と母親もあれですが」
「まだおかしな人いるの?」
「酒乱で酔ったら奥さんや子供に暴力振るったりする奴とか」
「そうした人は確かに嫌ね」 
 酒乱はそれだけでかなり駄目だと思います、おみちにはお酒のことでどうにか助かりたいという人も来られます。それでこうしたお話は私もよく耳にします。
「本当に」
「そうですよね」
「そうした人になのね」
「叔父とその母親に、ひいお祖父さんも酒乱だったらしくて」
「その人も問題だったの」
「っていうかこの人が元凶だったみたいです」
 ひいお祖父さんだった人がというのです。
「本当に」
「そうだったのね」
「それでその人が元凶で家は揉めごとが絶えなくて」
「ひいお祖父さんまだご存命?」
「僕が生まれる前に、ですが酷い人だったらしくて」
 それでというのです。 
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