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オズの木挽きの馬

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第七幕その六

「凄いですよ」
「日本の妖怪だけじゃないですよね」
 ナターシャは妖怪博士に尋ねました。
「ご存知なのは」
「そこまで妖怪を知っているなんて」
 カルロスは鯉こくを食べながら唸りました。
「そうそういないですか」
「世界でもそんな人がそういるのか」
 ジョージも言います。
「本当に」
「オズの国でも一番の妖怪通でね」
 モジャボロは鯉のあらいを食べながらジョージ達にお話しました。
「ムシノスケ教授も教わっている程だよ」
「あの人がですか」
「それはまた凄いですね」
「ムシノスケ教授が教わるなんて」
「オズの国で一番の学者さんが」
 四人はこのことを聞いて驚きました。
「本当に妖怪に詳しいんですね」
「じゃあもうオズの国の妖怪のこともですね」
「全部ご存知なんですね」
「そうなんですね」
「いや、学べば学ぶ程ね」 
 妖怪博士がお話しました。
「学ぶことが増えるのが学問だね」
「だからですか」
「妖怪のこともですか」
「学ぶときりがない」
「そうなんですか」
「そうなんだ」
 これがというのです、恵梨香達五人の子供達に言いました。
「本当にね、だからね」
「全部ご存知でない」
「そうなんですか」
「妖怪博士さんにしても」
「そうなんですね」
「妖怪のことを」
「オズの国の妖怪の皆のこともね」
 それはというのです。
「まだまだだよ」
「オズの国って人がどんどん増えていってるしね」 
 ガラスの猫がこのことを言いました。
「だから妖怪もよね」
「うん、妖怪は外の世界でも増えていっていてね」
 妖怪博士はガラスの猫にも答えました、今はお酒を美味しそうに飲んでいます。飲むことも食べることもお好きみたいです。
「そしてね」
「オズの国でもよね」
「だからね」
 それでというのです。
「本当にね」
「学んでもなのね」
「さらにね」
「学ぶべきことが増えるのね」
「そうなんだ」
「成程ね」
「だからオズの国は面白いんだ」
 そうだというのです。
「ずっと楽しめるからね」
「ええ、ただ妖怪のことは」
 グリンダはここでこう言いました。
「私も最初はあまり知らなかったの」
「そうだったんだ」
「ええ、ドロシーが最初にこの国に来た頃はね」
 こう木挽きの馬にお話しました。
「オズの国が皆に知られる様になった頃はね」
「それからなんだ」
「次第に妖怪の皆も増えていって」
 そしてというのです。
「私もね」
「学んでいったんだ」
「そうなの」
「成程ね」
「いや、本当にオズの国はね」 
 まさにというのです。 
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