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犬を捨てる者達の素顔

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第二章

「あの二人何なんだ」
「酷いですよね」
「あまりにも」
「勝手な理由で遅刻や早退も多いですし」
「欠勤もですし」
「後輩へのパワハラやモラハラも多いですし」
「外から来た人への喋り方もなっていないです」
「礼儀作法も悪くて」
 そしてというのだ。
「あちこち汚して」
「何かとマナーも悪くて」
「最悪な連中ですね」
「本当に」
「二人共地元だな、地元でどんな連中だったんだ」
 その二人はというのだ。
「一体」
「ああ、もう県内でも底辺の底辺の高校で」
「ゴロツキしかいない様な高校でも札付きで」
「家はどっちもヤクザで」
「自分勝手で暴力的な両親で」
 どちらもというのだ。
「その中で育って」
「あいつ等もああなったみたいです」
「万引きとかカツアゲとか散々してたらしくて」
「弱い者いじめも」
「そんな連中か、それならな」
 中村もここまで聞いて言った。
「あんな風でも当然だな」
「そうですね」
「もうあんまり態度が酷いとです」
「これ以上雇っていても」
「この工場の中でも苦情が絶えないですし」
「そうだな、解雇もな」
 これもというのだ。
「仕方ないな」
「考えておきましょう」
「あんな連中ですから」
「仕方ないですね」
「これ以上酷くなると」
「本当にな」 
 中村はこう言った、実際に二人の解雇を真剣に検討しだしたが。
 その矢先に二人は飲酒運転で事故を起こし死んだ、盗んだ車でそうなって多額の賠償金は二人の両親達が支払ったが。
 非常に揉めた、そこで二人の家を知ったが。
 両方共飼っていた犬を捨てていた、一人はシェパードを飼っていたが。
「大きくなったからですか」
「はい、捨てていました」
 中村はボランティアの施設で山村に話した。
「それも山に」
「そういえば」
 山村はその話を聞いてはっとなって中村に話した。
「中村さんのシェパードの」
「アンゴはですか」
「はい、あの子は山に捨てられていました」
「それじゃあ」
「その事故で死んだ社員が」
 その彼がというのだ。
「家で飼っていましたね」
「そうですか」
「はい、そうです」
「そういえば」
 中村はさらに話した。
「カズオは」
「マスチフの子ですね」
「何でももう一人がマスチフを流行だって飼っていて」
 それでというのだ。
「流行が終わったので公園にそのまま」
「ええ、あの子は公園で」
 山村はまた答えた。
「見付かって」
「保健所にですか」
「そうなりました」
「そうですか、どんな飼い主だったかと思えば」
 中村は苦々しい顔になって述べた。 
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