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八条学園騒動記

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第五百九十四話 正門にてその十三

「もう何ともね」
「思っていないな」
「それでそんな国や組織を正しいとかね」
「その時に言うのはな」
「馬鹿でね」
 ビアンカはさらに言った。
「卑怯ね」
「それなら最初から声をあげているな」
「グレーは駄目だってね」
「しかしそれをだ」
「後になってしたり顔で言うなら」
「馬鹿でしかもだ」
「卑怯者ね」
 吐き捨てる言葉に軽蔑も宿った。
「相当頭足りないうえにね」
「どうしようもないな」
「そんな連中その時はしたり顔で言っても」
「いきなり弾圧を受けている連中が見たらどう思う」
「とことん嫌うわよ」
「そうなるな」
「それにそんなこと言ってる連中も」
 その時はしたり顔で言っているがというのだ。
「後でね」
「自分達もとなるな」
「やがてね、それでその時にこんな筈ではとか言うのよ」
「その時に誰が助けるか」
「助けないわよね」
「中にはそこで背中から撃つ奴もいる」
 したり顔で言われて恨みを持つ者の中にはというのだ。
「そうなってもだ」
「自業自得とね」
「本当にそんなことをする国家や組織を観たらな」
「考えるべきね」
「その国家や組織が自分達をどう思っているか」
「そのどう見ても相当足りない頭でね」
「こうした馬鹿も僕は嫌いだ」
 アルフレドの言葉にはこの上ない軽蔑がまだあった。
「救い様がない」
「そのタイプの馬鹿も思いやりないよね」
「全くな」
「何もわかってなくてね」
「世の中本当に色々な人がいるが」
「馬鹿も様々で」
「救い様のない、軽蔑すべき馬鹿はな」
 そうした種類の愚者はというのだ。
「何の可愛い気も愛嬌もだ」
「ないね」
「見ていて腹が立つな」
「思いやりがないからね」
「そんな奴がどうなっても同情もだ」
 これもというのだ。
「しない、というかだ」
「することすらね」
「値しない」
「そうだよね」
「権力に反対する奴が人を殺してもいいならだ」
 それならというのだ。
「自分がそうされろ、そして昨日まで弾圧されなかったのに一方的に弾圧される人達をグレーだったから当然だとしたり顔で言うのならだ」
「自分が弾圧されろだね」
「そして思い知れ、しかしだ」
「思い知ってもね」
「助けることはな」
「ないね」
「地獄を見ろ」
 アルフレドは今度はこれ以上はない嫌悪を見せて言い捨てた。 
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