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八条学園騒動記

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第五百九十四話 正門にてその十二

「権力に反対しているからテロしてもいいとか言って」
「殺された人や遺族の人達の痛み、苦しみ、悲しみを理解しない」
「理解しようともしない」
「おまけに権力に反対している連中の素性も見ないで」
「しかも法律が何故あるのかさえ考えない」
「こうしたことを一切考えるつもりもないなら」
「人間じゃなくてね」
 それこそというのだ。
「何かの出来損ないだから」
「親御さんも泣くわね」
「人じゃなくて出来損ないを育ててしまった」
「そして子供に持ってしまったってね」
「泣いて」
 まともな親ならというのだ。
「それで生きる価値もね」
「ないってなるわね」
「そうなるね」
「だからそんな馬鹿を雇った店はな」
 アルフレドはここでまたこのことを話した。
「潰れた」
「人間じゃないの雇う位だと」
「そうなる、まあ世の中馬鹿もな」
「多いね」
「この馬鹿に近いレベルの馬鹿もな」
「いるね」
「そういう奴はまず確実にだ」
 どうかとだ、アルフレドはさらに話した。
「自分が正しいだの頭がいいだのな」
「思ってるね」
「だがその実はだ」
「馬鹿だね」
「自分がそう思っていても何もわかっていないとな」
 それこそというのだ。
「所詮はな」
「馬鹿だよね」
「偉そうに言う前にだ」
「その前に?」
「少し考えることだ」
「その話すことについて」
「例えばグレーゾーンをいきなりアウトと言って徹底的に弾圧する」
 そのグレーゾーンにあるものをだ。
「それまで許していて弾圧する側もかなりの利益を得ていたのにな」
「自分達が利益を得なくなったか邪魔になって」
「いきなり弾圧をはじめる連中はどう思う」
「相当自分勝手っていうか」 
 ロミオはすぐに答えた。
「それが国や組織ならね」
「市民や構成員のことをだな」
「全く考えていないね」
「そうだな」
「そしてだね」
「そのグレーゾーンがアウトで国家が正しいだの弾圧がはじまってから言う」
 アルフレドは今回も軽蔑、これ以上はないまでのそれを込めて話した。それは明らかに愚劣を観ているものであった。
「組織でもな」
「自分達もそのグレーゾーンで利益を得ていたのに」
「まさに何の予告も前触れもなしでだ」
「グレーをブラックって言ってだね」
「徹底的に弾圧する国家や組織なぞだ」
「信用出来ないね」
「そんな国家や組織はホワイトでもだ」
 そうされているものでもというのだ。
「自分達の都合でだ」
「いきなりアウトにしだすね」
「ブラックだとな」
「独裁国家じゃない」
 ビアンカは顔を顰めさせて言った。
「それも国民を何も思っていない」
「そうした国だな」
「国だとね」
「組織だとブラックだな」
「相当やばいブラック企業ね」
「そんな国や企業が国民や利用者そして自分達が扱っているものをどう思っているか」
「言うまでもないわね」
 ビアンカも吐き捨てる様にして言った。 
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