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星河の覇皇

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第七十六部第四章 戦いの合間のその五

「本国に情報を送る」
「それだけですね」
「そうしたもので企業もです」
「進出していていますが」
「僅かです」
 その数も規模もマウリアに進出しているものよりも遥かに小規模だ。
「非常に」
「そしてそれはですね」
「統一すればサハラは安定した発展を見込めますが」
「その発展の間にもですね」
「連合は発展します」
 即ち自分達の国はというのだ。
「サハラよりも遥かな規模で」
「だからですね」
「サハラへの外交もです」
 中央政府のそれもというのだ、もっと言えば各国政府も同じだ。
「どうしてもです」
「あまり積極的なものでなく」
「結局どちらが統一しても」
「連合の対応は変わらないですね」
「はい」 
 金は秘書官に言い切った。
「そうなるかと」
「やはりそうですか」
「はい、そして」
 金はさらに話した。
「万が一の備えはしていますし」
「有事の際のですね」
「国境の防衛ラインは整えられました」
 こちらは八条が統括している国防省が行った。
「そちらもです」
「整えられたので」
「後はです」
「もうこれといって」
「こちらから何もしなければ」
 介入なり挑発なりをしなければというのだ。
「いいです」
「サハラについてはですね」
「サハラとは交流が希薄ですし」
「それならばですね」
「このままです」
「希薄なままですね」
「関係を続けてもいいですし」
 金にしてもサハラとの交流に得るものを見出してはいなかった、もっと言えば害も見出してはいなかった。
「ですから」
「それではですね」
「はい、トラブルが起きなければです」
 それでというのだ。
「いいと思います、サハラの方もです」
「我々に対してはですね」
「攻撃的な意図はないでしょうし」
「それはわかります」
 秘書官は自分の仕事の用意をしつつ金に話した。
「我々が巨大だからですね」
「はい、国力が違います」
 サハラと連合ではというのだ。
「百倍、最近では六百倍はと言われていますね」
「国力が違っているので」
「軍事力もですね」
「サハラ全てを合わせても」
 それでもというのだ。
「軍事力でもです」
「連合には及ばないですね」
「これまで連合は各国の軍隊がばらばらにありました」
 有事には中央政府が彼等を指揮することになっていた、中央政府大統領は今もそうであるが各国軍の最高司令官でもあったのだ。
「それでは数が多くとも」
「まとまりに欠けるので」
「力として考えるには難しかったですが」
「今はですね」
「はい、中央政府軍となりました」
 各国政府軍の殆どを組み入れたうえで編成されてだ、金もこのことを頭に入れていて政治を考えているのだ。
「ですから」
「非常にですね」
「今の連合は軍事力もあります」
「サハラ以上にですね」
「はい」
 まさにというのだ。 
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