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星河の覇皇

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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その四十一

「それは本当にね」
「間違っていますね」
「そうだよ、まあしかし」
「しかし?」
「そうした飲み方はね」
 間違っているそれはというのだ。
「すぐになくなるよ」
「そうなりますか」
「間違ったものはね」
 それはというのだ。
「どれもすぐになくなるね」
「正道が残る、ですね」
「そうだよ」
「ではああした飲み方は」
「今だけだよ、ヒステリーだね」
「連合との戦争での敗戦に対する」
「それだよ」
 こう話すのだった。
「所詮はね」
「ではあくまで、ですね」
「一時的なものでね」
 それでと言うのだった。
「それ以上のものではないよ」
「あくまで、ですね」
「そう、そしてね」
「やがてはですね」
「忘れられるよ」
 そうなってしまうとだ、ランズハイムは話した。
「やがてはね」
「そうしたものに過ぎないですか」
「爺やもそう思わないかい?」
「普通はそうだと思いますが」
 執事は主にあえて話した。
「こうしたことはたまにですが」
「残ってしまう」
「そうなってしまう場合もありますので」
 確かにそれはごくごく稀であるがというのだ。
「ですから」
「油断は出来ないというのだね」
「おそらく九十九パーセントの確率で消えます」
「私は絶対だと思うのだけれど」
「絶対はこの世にはないのでは」
「そういうことだね」
「はい、ですから」
 執事が言いたいことはそういうことだった、ランズハイムも彼の言うことを理解してそのうえで頷いた。
「そうだね」
「はい、ですから」
「絶対はないからこそ」
「このこともです」
「まず消えるだろうけれど」
「一パーセントの確率、いえ」
 執事は己の言葉をこう訂正した。
「ゼロコンマかも知れませんが」
「一パーセントもないんだね」
「ゼロコンマ幾つかも知れませんが」
 そこまで可能性は低くとも、というのだ。
「絶対ではないです」
「だからだね」
「今この様にお話しました」
「そういうことだね」
「はい、そしてです」 
 執事は主にさらに話した。
「残ればです」
「その時はだね」
「あまりよくないとですね」
「私は思うよ」
「やはりそうですか」
「全く、時としておかしなことが流行するね」
「そうですね」
 執事もこのことには同意であった。 
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