| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十一話 食べてもらってその十七

「阿波野君自身が言うなら」
「そうした癖性分です」
「そこは気をつけてなおしてね」
「なおす気ないんですよね」
「そんな癖性分はなおしなさい」
 少し厳しい声で注意しました。
「さもないとよくないから」
「僕自身にとって」
「ほこり積み重ねて黒いんねんにもなって」
 そうしてというのです。
「阿波野君に禍になるわよ」
「そうなるの」
「そう、だからね」
 だからとです、阿波野君に言いました。もうご飯は皆食べ終えようとしています。
「気をつけてね」
「この癖性分をなおすべきですね」
「そう、普通に阿波野君嫌いな人は徹底的に嫌うし」
 このことはわかりました。
「そのことだけでもね」
「何とかすべきですか」
「卑劣で残忍で陰湿で執念深いなら」
 私から見てそうは思えないですが。
「そんな癖性分は絶対にね」
「なおさないとですね」
「本当に阿波野君にとって悪いから」
 間違いなくそうなると思って阿波野君に忠告しました。
「なおしてね」
「なおす気がなくてもですね」
「そのつもりになるの」
 なおす気がなくてもと注意しました。
「いいわね」
「それがおみちですね」
「そうよ、というか阿波野君って本当にそうした子なの」
「そうですよ、実は」
「そうは見えないけれど」
 このことはとてもです。
「実は、なのね」
「そうなんです」
「まあ先輩への態度は悪かったけれど」
 このことは忘れられないです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧