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星河の覇皇

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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その十八

「幾ら開発、開拓を行っても」
「それでもですね」
「限度があります」
 だからだというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「暗黒宙域も超えて」
 数十万光年あるその何もない宙域をというのだ。
「そうしてです」
「そのうえで、ですか」
「新天地を手に入れるべきです」
「かつての大航海時代の様にですね」
「そこには無限の富と可能性があるのですから」
「その富と可能性をですね」
「我々が手に入れるべきです」
 エウロパがというのだ。
「やはり」
「そうですね、私もです」
「伯爵もですね」
「そうあるべきだと思います」
 こうリッテンベルクに話した。
「エウロパの今後を考えますと」
「やはりそれしかないですね」
「はい、やはり」
「ううむ、私は賛成したいのですが」
 ブラウンシュタインは意気投合して話す二人に懐疑的な顔でこう言った。
「しかしです」
「公爵はですか」
「総統のその政策は」
「はい、実現出来るかどうか」
 それはというのだ。
「不安です」
「では政策として」
「新台航海時代政策はですか」
「公爵としては支持出来ない」
「そうなのですね」
「はい、数十万光年もの距離をです」
 その途方もない距離をというのだ。
「果たして踏破出来るのか」
「そして新天地を手に入れてもですか」
「エウロパ本土からそれだけ離れているので」
「それを実現出来るか」
「そう考えるとですね」
「どうしても不安です、かつての植民地はです」
 欧州各国が持っていたそうした地域はというのだ。
「全て独立していますね」
「はい、確かに」
 リッテブルクが答えた。
「ドイツも持っていましたね」
「少しですが」
 尚ドイツは植民地は一次大戦の敗北で全て没収されている。
「持っていましたね」
「はい、しかしです」
「植民地はですか」
「領有してもです」
「やがては独立してですか」
「別の国になります、連合を見ますと」
 エウロパと敵対するこの国はというと。
「植民地ではなく」
「新国家をですね」
「その外周部に建国させていっていますね」
「あの国はそうですね」
「むしろその方がです」
「いいのですね」
「はい、しかしエウロパは」
 自分達のこの国はというと。
「暗黒宙域は数十万光年先なので」
「それで、ですね」
「エウロパ本土からの統治は無理です、宙域続きでもなく」
「連合の様に」
「非常に難しいので」
 そうしたこともというのだ。 
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