| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

麗しのヴァンパイア

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百九十七話

                第二百九十七話  春奈と抹茶
 春奈はこの時家の中で牛乳を飲んでいた、するとイーとリャンからこんなことを言われた。
「ご主人様、牛乳は栄養の塊ですね」
「そう言われていますね」
「だからよく飲まれていますね」
「そして今も」
「ええ、けれどね」
 それでもとだ、春奈は使い魔達にこう返した。
「牛乳はビタミンはないからね」
「そちらはですね」
「別のもので摂りますか」
「果物もお野菜もあるし」
 それにというのだ。
「あとお茶もね」
「ああ、お茶ですか」
「そういえばお茶にもビタミンがありますね」
「だからね」
「お茶もですね」
「後で飲まれますね」
「ええ、そしてね」 
 それでというのだ。
「あとでお母さんがお抹茶を淹れてくれるらしいから」
「そちらを飲まれますか」
「お抹茶を」
「お抹茶は特にビタミンが多いらしいの」
 お茶の中でもというのだ。
「だからね」
「それを飲まれてですか」
「ビタミンも摂られるのですか」
「そしてね」
 春奈は使い魔達にさらに話した。
「晩ご飯は八宝菜らしいから」
「八宝菜はお野菜が多いですね」
「では尚更いいですね」
「しっかりとビタミンも摂れる」
「今日はそうですね」
「ええ、だから安心していいわ」
 栄養のことはというのだ。
「有り難いことにね、じゃあ後でね」
「はい、お抹茶を飲まれますね」
「牛乳の後で」
「そうするわ」
 こう言ってだった。
 春奈は実際に母が煎れてくれた抹茶を使い魔達を両肩に置いたうえで飲んだ、それは茶道の作法で飲んだが一口飲むと。
 苦い顔になってだ、こう言った。
「苦いわね」
「お抹茶はですか」
「苦いですか」
「ええ、かなりね」 
 こう言うのだった、その大きなお碗を持ちながら。


第二百九十七話   完


                   2020・9・13 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧