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星河の覇皇

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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その四

「毎朝されていますが」
「当然のことだね」
「はい、貴族ならばです」
「スポーツもしてね」
「身体を鍛えられることです」 
 健康管理も兼ねてだ。
「そうされないとです」
「逆に貴族としてはだね」
「失格です」
 そう言われるものだというのだ。
「ですから」
「それでだね」
「はい、今朝も励まれましたし」
「明日もだね」
「そうされて下さい」
「体調が悪い時でもないとね」
「スポーツは日課です」
 ランズハイムだけでなくエウロパ貴族ならばだ。しかも爵位を持つだけの立場になると尚更である。
「貴族が太っているなぞです」
「運動不足でね」
「もっての他です」
「極端な肥満はね」
「かつてのアメリカ人の様な」
 大体二十世紀後半から二十一世紀前半のだ。
「あの様な太り方をしては」
「民に示しがつかないからね」
「ビールよりもワインで」
 飲む酒のこともおおむね決められている、とはいっても多少の好き嫌いは認められてはいる。貴族でもビールをかなり飲んでもそれでもいいのだ。平民達もワインをかなり飲むのでおあいことされている。
「出来れば」
「私はワイン派だからね」
「そのことはですね」
「構わないがね」
「そうですね、そしてです」
「学問もだね」
「お励み下さい」
 こちらもというのだ。
「そうしましょう」
「学問は一生だね」
「はい、一生続けてこそです」
「身になるものだからね」
「ですから家庭教師の方も雇われていますし」
「そちらもね」
「お励み下さい」
 こう己の主に話すのだった。
「是非」
「それではね」
「今日もお励み下さい」
「やるべきことが多いよ、貴族は」
 またこうぼやいたランズハイムだった。
「連合では怠惰だの言われているみたいだけれど」
「実は、ですね」
「多忙だね」
「所詮は衆愚共の戯言ですね」
「まあ彼等は私も好きではないがね」
 穏健で平和主義と言われるランズハイムも連合は好きではない。
「見ていたらね」
「下品ですね」
「数ばかり多いね」
「このお屋敷の庭にも入り」
「許可を申し出てだね」
「そうしたことと後片付けはしますが」
 しかしとだ、執事は主に話した。
「あと屋敷の中には入りませんでした」
「入るなとだね」
「大旦那様が言われましたし」
「それで家の者には一切手出しをしなかった」
「領地内の民達にもです、ですが」
「それでもだったんだね」
「ここでバーべーキューなぞをしまして」
 エウロパでは下品な料理とされている、それこそ若者達が外でバカ騒ぎをして飲み食いをするものとされている。 
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