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レーヴァティン

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第百八十一話 東から西へその四

「もう密告もね」
「あってもか」
「注意してね」
「事実が為されてるんだな」
「だっても密告が嘘ならそれはそれで処刑されるなら」
 リスクが付きまとっているのならというのだ。
「慎重にするよね」
「ああ、どうせ間違いでもだな」
「同じだよ」
 処刑、それが待っているというのだ。
「そうなるよ」
「やっぱりそうか」
「そんな統治だからね」
「強くなってか」
「そしてまとまっているんだ」
「恐怖政治でも強くなるんだな」
 久志はここまで聞いてしみじみと思った、そして剛のその話を聞いてから今度はこうしたことを言った。
「それで帝国とはどうだよ」
「従おうとしないよ」
「使者送ってないよな」
「使者を送ったらね」
「その使者殺されるな」
 久志はこのことをすぐに察した。
「間違いなくな」
「そうした人はそうしますね」
 夕子が言ってきた。
「まず」
「そうだよな」
「帝国に入れと言えば」
「その時点で怒ってな」
「殺しますね」
「ああ」
 久志は答えた。
「そうなるな」
「そうなるとなると」
「そこには使者は送らない」
「そうしますね」
「ああ」
 実際にとだ、久志は裕子に答えた。
「そうするな」
「それが賢明ですね」
「それじゃあ仕方ないな」
「その領主と、ですね」
「戦うな、しかしこっちから捕虜はな」
「出さない様にしますね」
「敵の捕虜は捕まえてもな」
 それでもというのだ。
「こっちの捕虜はな」
「極力出さない様にしますね」
「そうなったらもう何されるか」
 その捕虜達がというのだ。
「わからないと言えたらまだいいな」
「わかるからですね」
「言わないな」
「惨殺されますね」
「そんな血に餓えた奴に捕まったらな」
「だからですね」
「そうするな、陣の守りはしっかりと固めて」
「それがいいですね」
「後な」
 久志はさらに言った。
「戦場でも捕まった奴がいたらな」
「助け出しますね」
「ああ、俺達が神器を使ってでもな」
「そうしますね」
「大事な将兵を嬲り殺しにされるとかな」
 眉を顰めさせて言った。
「絶対に嫌だからな」
「捕まった人は助け出す」
「どんな力を使ってもな」
「そうしますね」
「ああ、あと敵の領地に入れば」
 久志はそこからのことも話した。
「領民には喧伝するか」
「私達の統治を」
「そんなことはしないってな」
 領主の様なことはというのだ。 
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