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レーヴァティン

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第百八十一話 東から西へその三

「そうした連中にしていてな」
「それが帝国の法だね」
「外道なんてな」
 それこそとだ、久志は言った。
「微塵も容赦なくでな」
「いいね」
「ああ、けれどか」
「その領主はね」
「ちょっと盗んで本人だけじゃなくてか」
「家族全員もだよ、捕虜もね」
 戦でのことでもというのだ。
「皆殺しだよ」
「殺人狂か?」
「かなり血に餓えているみたいだね」
「相当やばい奴だな」
「もう統治に邪魔とみたら」
 そうした者はというのだ。
「片っ端から虐殺しているよ」
「民でもか」
「障害者の人とか物乞いの人、あと外国の商人や自分に歯向かいそうな貴族も」
「外道かよ、いや」
 久志は考える顔になって言った。
「合理的に強い国にする為か」
「うん、困った人を助けるにも力がいるね」
「政でもな」
 久志はその政を行う者として述べた。
「弱者救済、それもな」
「国力使うね」
「どうしてもな」
「そちらに向かう分を他に回してね」
「純粋に強くなる為にか」
「もう最初からね」
 それこそというのだ。
「社会的弱者や邪魔者はね」
「皆殺しか」
「それで内政や軍隊の増強に力を入れて」
「強い国にしているんだな」
「勿論魂ごと消してね、ただ殺し方は残虐なのばかりで」
 それでというのだ。
「やっぱりね」
「血に餓えた奴か」
「相当にね、ただ国は強くなっているよ」
 このことは確かだというのだ。
「その人の統治でね」
「そのことは事実なんだな」
「邪魔な人は全て切り捨てて排除してね」
「国にとってか」
「既得権益も邪魔なら」
 自分の領地にとってというのだ。
「持っている人達をね」
「皆殺しか」
「やっぱり串刺しとかにしてね」
「惨たらしく殺してか」
「それで消して権益は全部領地に入れる、あと法治もね」
 剛はこちらのことも話した。
「そんな統治だから」
「ちょっとしたことで人豚だとな」
「皆守るよね」
「恐怖でな」
「だから治安もね」
「滅茶苦茶いいんだな」
「密告が出る程にね」
 剛はこうも言った。
「よくなっているよ」
「どうせその密告も嘘だとだろ」
「逆さ鋸引きとか引っ張って引き裂くとか」
「えげつない刑罰で処刑か」
「魂も消されてね」
「魂消すのはこの世界だと基本だしな」
 処刑の際はだ。
「それも忘れないでか」
「最悪何回も身体殺してね」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「魂消したりもするか」
「だからね」
 それでというのだ。 
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