| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十六部第二章 戦闘開始その四十五

「似た様なことを考える」
「そしてそれがですね」
「同じ時代に出て来ることもありますね」
「そうしたことも」
「電話もベルだけが発明していた訳ではない」
 実は同じ頃にしかも同じアメリカで発明されていてベルは二時間早く特許を得たのだ、こうしたことも実際にあるのだ。
「産業革命も然りだ」
「イギリスからはじまりましたが」
「他国も出来ましたね」
「しかも白人の国だけでなく」
「他の人種もまた」
「他の者に出来たことは他の者も出来る」
 このことも話したアッディーンだった、幕僚達に応えて。
「産業革命然りな」
「あれは白人にしか出来ないと思われていました」
「少なくとも十九世紀は」
「しかしそれがですね」
「日本も出来ましたし」
「後に他の有色人種の国家もです」
「しかもキリスト教徒以外の国でも」
「普通に出来ましたね」
 その時まで白人、キリスト教国の彼等はその技術から無敵の半神の様に思われていた。だがその技術もなのだ。
「白人達は誰も出来ないと思われていましたが」
「それはですね」
「違っていましたね」
「日本が出来ましたし」
 黄色人のしかも非キリスト教徒の国がだ、この場合宗教が先が人種が先かどっちに言えばいいかわからないが。
「それで、ですね」
「後に他の国々もですね」
「出来ましたね」
「そして世界にその技術が普及しました」
「世界で産業革命が成ったも同然になりました」
「所詮人間だ」 
 アッディーンはこうも言った。
「アッラーの前では実に小さい」
「その人間ならですね」
「所詮ですね」
「同じですね」
「人種に関わらず」
「民族や宗教が違っても」
「それでもですね」
 幕僚達も口々に言う。
「同じ人間なので」
「考えることも同じで」
「出来ることもですね」
「同じですね」
「しかも今の技術は連合が圧倒している」
 それならばというのだ。
「余計にだ」
「連合があの艦を開発、建造することもですね」
「そして配備も」
「それもですね」
「充分に有り得る、我々が出来たのだ」
 それならばというのだ。
「当然の様にだ」
「連合も出来る」
「そうなりますね」
「同じ人間でしかも技術で圧倒的に上にある」
「それならば」
「しかもあの長官殿は切れ者だ」
 八条、彼はというのだ。
「優れた戦略家、政治家であると共にな」
「ならばですね」
「それは有り得ますね」
「あの艦を開発することも」
「それも」
「そうだ、そしてその艦でだ」
 それでというのだ。
「連合をさらに守る」
「あの巨大な戦力と防衛体制、システムに加え」
「さらにですね」
「あの艦も加え」
「万全に万全を期していきますか」
「誰にも連合を脅かさせないならばだ」
 八条がそう考えるならというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧