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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その二十九

「どうでしょうか」
「フカヒレか」
「ムスリムは鱗がない魚は食べられないですが」
「それでもだな」
「はい、鮫は鱗はです」
「あるな」
「目立たないですが」
 それでもと話すシェフだった。
「一応ですが」
「あるにはあるな」
「そうです、鰻とは違います」
 完全に鱗のないこの魚とはというのだ。
「ですからフカヒレもです」
「食べられるか」
「そうなります、そして熊の掌は」
「それはだな」
「ご安心下さい」
 これが返事だった。
「何の問題もなくです」
「食べられるな」
「はい」 
 その通りという返事だった。
「こちらは」
「熊を食うことはな」
「禁じられているとはです」
「記憶にないな」
「その様な話はなかった筈です」
 シェフの一人もこう答えた。
「イスラムには」
「そうだな、コーランに熊が出た記憶はないが」
「イスラムにはあまり縁がない獣ではありますね」
「しかし口にすることはな」
「特に書かれていなかったかと」
「それでだな」
「こちらも安心して召し上がられることが出来ます」
 熊の掌もというのだ。
「ご安心下さい」
「ではな」
「ただ最後はです」
「燕の巣はか」
「これはイワツバメの巣です」
 連合ではこの時代ではイワツバメを養殖しそのうえで巣を作らせている、イワツバメに彼等自身の巣の他にそうした巣も作らせる様に品種改良して養殖しそのうえで燕の巣を大量に作らせて料理にして楽しんでいるのだ。
「海草から作りますが」
「コーランでは海草はな」
「食べるものとはです」
 最初からだ。
「考えていませんでした」
「そうだったな」
「ですが海の幸なので」
「海の幸ならばな」
「コーランには決まりがあります」
 これは川のものでもだ。
「鰭も鱗もないと」
「食べられないな」
「ですから海老や烏賊、貝も食べませんし」
 少なくともサハラのイスラムではこうなっている、食にかなり寛容になっている連合のイスラムでもまずアッラーへの謝罪が必要だ。
「そして海草もです」
「あれもな」
「はい、海の幸ならば」
「駄目か」
「そうなるのでは、ただ」
「魚や貝類とはな」
「また違いまして」
「植物だな」
 海草もまたとだ、シャイターンも応えて話した。
「そうなるな」
「ですから区分はです」
「難しいか」
「どうなるのかはです」
「解釈が必要か」
「これが貝類等ならです」
 この辺りの教えはユダヤ教からだ、イスラム教はユダヤ教を経典の宗教としていて影響を強く受けているのだ。
「即座にです」
「禁じられるな」
「ですから中華料理は海の幸も多く食材にしますが」
「海老や烏賊、貝類はな」
「食べてはならないですが」
 この辺りは豚肉と同じだ。 
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