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ドリトル先生と牛女

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第八幕その六

「ヒトラーは甘いものが好きでね」
「あっ、虫歯」
「虫歯だったんだ」
「それがあったの」
「それで随分苦しんでいたんだ」
 そうだったというのです。
「あの人は」
「煙草を吸わなくてお酒は飲まなかったけれど」
「それでもだね」
「甘いものは好きで」
「虫歯だったの」
「そうだったんだ」
 これがというのです。
「甘いもののせいでね」
「そういえばこのお話前にしたかな」
「ヒトラーは誰でも知ってる人だしね」
「菜食主義者で煙草もお酒も嗜むことがなくて」
「甘いものが好きだってね」
「そうだったね、しかしお酒を飲まなくて」 
 それでと言う先生でした。
「お魚を食べないと」
「先生としてはだね」
「どうにも残念だよね」
「煙草はともかくとして」
「そうだね」
「うん、それは困るね」
 こう言って白ワインをまた飲みます、ここでトミーは先生の前にホッケを焼いたものを持ってきて言いました。
「どうぞ」
「あっ、ホッケだね」
「先生こちらもお好きですね」
「大好きだよ、食べやすくて」
 そしてというのです。
「物凄く美味しいからね」
「だからですね」
「大好きだよ、しかしイギリスにはね」
「ホッケもなかったですね」
「来日してはじめて食べたよ」
 このお魚もというのです。
「河豚や秋刀魚や鯖と同じくね」
「そうですよね」
「鱧にしてもね」
「鱧も美味しいですよね」
「うん、日本は本当に魚介類が豊富だよ」
「お陰でいつも楽しめますね」
「イギリスにいたままだと」
 それこそというのです。
「こうまではね」
「楽しめませんでしたね」
「絶対にね」 
 こうトミーに言います。
「僕達は」
「そうでしたね」
「それとね」
 先生はさらにお話しました。
「今河豚のことを言ったけれど」
「あのお魚ですね」
「信じられない位美味しいね」
「凄いですよね、あの美味しさは」
「お刺身にしてもお鍋にしても唐揚げにしても美味しいよ」
「まさに何にしても」
「絶品だよ」
 そこまでたというのです。
「本当にね」
「全く以てですね」
「毒があってもね」
「そうそう、河豚って毒があるのよ」
 ダブダブが言ってきました。
「それが怖いのよ」
「常識で考えて毒があったら食べないよ」
 ホワイティも言います。
「もうね」
「その時点で、だね」
 チーチーはホワイティに続きました。
「普通は食べないね」
「それでも日本では食べるから」
 トートーは感心している感じです。
「凄いよ」
「しかも猛毒でね」
「あたったら死ぬから」
 チープサイドの家族はこう言いました。 
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