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おぢばにおかえり

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第六十話 朝早くからその三十六

「自分に、阿波野君自身にもよくないからね」
「ほこりも積み重なりますね」
「そうなるからね」
 だからとです、阿波野君にさらにお話しました。
「注意してね」
「そうしてなおしていくべきですね」
「是非ね、けれど私にはいつもにこにこしてるのに」
「ですから嫌いな人に対してだけです」
「態度が変わるのね」
「自分でもわかる位露骨に」
 阿波野君自身が言うにはです。
「だから今も言っています」
「それじゃあ余計にね」
「気をつけてなおしていくことですね」
「間違いなく自分にとってよくないから」
「人を徹底的に嫌うことは」
「八つのほこりの中にもあるしね」
 もうこれははっきりとあります。
「そうでしょ」
「はい、ただなおすのは難しいですね」
「そうよ、癖性分をなおすことはね」
 私も自覚しています、結構よくやこうまん、はらだちが強いですから。
「難しいことなのよ」
「本当にそうですね」
「癖も性分もね」
 ちょっと分けてみました。
「どっちもよ」
「難しいもので」
「そのことも自覚してね」
「そのうえでなおしていくことですね」
「それが大事なのよ」
「わかりました」
「しっかりとね。私もフォローしていくから」 
 阿波野君にこうも言いました。
「同じ高校、大教会の後輩でもあるし」
「それで、ですね」
「詰所にも来てくれるわね」
「毎日でも」
 物凄く嬉しそうな返事でした。 
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